調光の意味とは?調光機能の必要性や効果的な活用事例
調光の意味とは何かご存知でしょうか。結論から言うと、調光とは、照明の明るさを自在に変えられる機能のことを指します。
調光を上手く取り入れることでリラックスできる空間を演出したり、節電効果を得られたりと、生活環境の質を大きく高めることができます。
この記事では、調光の意味とその必要性について詳しく解説。さらに、メリットやデメリット、具体的な活用事例もあわせてご紹介します。
目次
1.調光の意味とは?
2.調光が必要とされる理由
3.調光を導入するメリット
4.調光を導入するデメリット
5.調光を導入する際のポイント
6.実例で見る!調光のある空間づくり
7.空間の快適さと雰囲気を自在に演出できる調光の魅力
8.多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング

調光の意味とは?
重慶飯店 本店
(撮影:佐藤久)
調光とは、照明の明るさを自由に調整できる機能のことを指します。単に光を点けたり消したりするだけではなく、シーンや目的に合わせて光量を変えることで、空間の雰囲気を自由にコントロールできるのが特徴です。
さらに、必要以上に明るくしないことで消費電力を抑えられるため、省エネや電気代の節約にも繋がります。
この調光機能は、家庭用照明では一般的です。リビングや寝室のシーリングライト、間接照明など、多くの製品に搭載されています。また、オフィスやホテルなどの商業施設でも導入が進んでおり、作業効率の向上や空間演出に役立てられています。
なお最新の照明器具には、明るさを変える「調光」に加えて、光の色合い(色温度)を調節する「調色」機能が搭載されることも増えてきました。調光機能に調色機能を加えることで、照度と色温度の適切なバランスを実現し、人間の生体リズムを整える効果が期待できます。
調光が必要とされる理由
調光が求められる理由のひとつは、快適な空間づくりを大きく左右するからです。強すぎる照明は目の疲れやストレスの原因になりかねませんが、適度に抑えた光であれば落ち着いた雰囲気を演出し、リラックス効果を高めてくれます。
また、人にやさしい光環境を整えるうえでも調光は欠かせません。時間帯や生活リズムに合わせて光を調整することで体内リズムが整うなど、健康的な暮らしをサポートできます。
さらに、空間の使い分けに柔軟に対応できる点も大きなメリットです。読書や作業の際には明るい光を、食事やくつろぎの時間には柔らかな光を選ぶなど、シーンごとに照明を切り替えることで空間を多目的に活用できます。
屋内で過ごす時間が増えた現代人にとって、調光は快適さ・健康・機能性を同時に実現するために欠かせない存在だと言えるでしょう。
調光を導入するメリット
Wolfgang’s Steakhouse by Wolfgang Zwiener
(撮影:NOMURA DESIGN & ENGRG. (S) PTE LTD)
照明に調光機能を取り入れることで得られる利点は多くあります。ここでは、調光を導入するメリットを3つに分けて解説していきます。
調光を導入するメリット1:電気代が削減できる
調光機能を導入するメリットとして、電気代の削減が挙げられます。状況に合わせて照度を下げることで消費電力を抑えられるため、光熱費の節約効果が期待できるのです。
さらに調光機能に加えて、自然光を利用した「昼光利用制御」や、明るさを一定に保つ「初期照度補正制御」といった照明制御システムを導入すれば、従来のLED化以上の節電効果を実現することも難しくないでしょう。
調光を導入するメリット2:空間の雰囲気を自在に演出できる
空間のインテリア性を高める効果も、調光のメリットのひとつ。光は空間の雰囲気を決定づける重要な要素ですが、調光機能を導入することで、室内の印象を自在に演出できるようになります。
例えば、寝室でスマホを見るときは明るく、就寝前にはリラックスできる落ち着いた光に調節すれば、同じ空間でも全く違う表情に切り替えることが可能に。
また、天井や壁を照らす間接照明と組み合わせれば、空間に奥行き感や広がりを与えることができ、まるでホテルやレストランのような洗練された雰囲気を自宅でも楽しめます。
調光を導入するメリット3:生活や業務の質が向上する
調光には、生活や業務の質を向上させるメリットもあります。季節や時間帯に合わせて最適な照度や色温度に調整することで、快適で健康的な光環境を実現できるからです。
例を挙げると、オフィスでは照明が暗すぎると目が疲れやすく、手元が見えにくくなり仕事の効率が低下する一方、逆に明るすぎても眼精疲労の原因になりかねません。
そこで「適所適光」を意識して調光機能を活用すれば、必要な場所を必要なだけ照らせるため、効率的かつ快適な作業環境が整います。調光機能の導入は、仕事のパフォーマンス向上だけでなく、日常生活の質そのものを高める重要なポイントだと言えるでしょう。
調光を導入するデメリット
調光には多くのメリットがありますが、導入にあたっては注意すべき点も存在するため、あらかじめ知っておくと安心です。ここからは、調光を導入する際の代表的なデメリットを2つ解説します。
調光を導入するデメリット1:価格が高くなりやすい
調光を導入する際は、調光器や専用配線といった追加の設備が必要になるため、コストが高くなる傾向があります。また、施工が複雑になる場合には、工事費用が上乗せされることも少なくありません。
近年は無線調光システムも普及していますが、その分機器代が高額になります。初期費用が予想以上に高くなることも珍しくないため、導入前に充分な検討を行うようにしましょう。
調光を導入するデメリット2:工事が必要になる可能性がある
調光を導入すると、工事が必要になる可能性がある点にも注意が必要です。というのも、新しく導入する際はもちろん、既存の配線や照明器具が調光に対応していない場合も、機器の入れ替えや新たな配線工事を行う必要があるからです。
特に、既存の照明を調光機能付きに切り替える場合は、有資格者である電気工事士による施工が必須。導入時だけでなく、改修時にも工事が発生する可能性があることを覚えておきましょう。
調光を導入する際のポイント
西方庵
(撮影:スタジオマップ/前田誠士)
調光を導入する際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
調光機能は照明器具や制御機器の相性など、さまざまな要因に左右されるため、事前にしっかり確認しておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 調光対応の照明器具かどうかを確認する
- スイッチや調光器が適合しているかを確認する
- 使用する場所や目的に合わせて選ぶ
- 専門家に相談する
- 調光の下限値を確認して機器を選ぶ
中でも、調光の下限値の確認は特に忘れがちなポイントです。調光の下限値は照明器具や調光器によって異なるため、事前に必要とする照度まで調整できるかを確認し、適切な機器を選ぶことが大切です。
加えて、大規模な建物や広い空間では、照明器具の数量が多くなるため集中的な調光制御が求められます。その場合にはPWM制御やDALI制御といった制御方式が必要となることから、導入時に制御機器の設定を検討することが欠かせません。
実例で見る!調光のある空間づくり
調光によって照明の明るさを調整することで、空間の印象や居心地は大きく変わります。柔らかな光でくつろぎの時間を演出したり、色温度を下げることで高級感を演出したりと、光の使い方ひとつで暮らしや空間の楽しみ方が広がります。
ここでは、実際の導入事例をもとに、調光の活かし方や空間演出のポイントをご紹介します。
調光を活用した事例1:22 PIECES
ホテルやレストランでは、調光による光の調整が欠かせません。光の表情を少し変えるだけで、印象的な空間づくりに繋がります。
例えば京都市のホテル「22 PIECES」では、宿泊されるお客様にくつろぎやすい雰囲気を届けるため、直接光による照明を極力排除し、間接光による調光を行っています。
22 PIECES
(撮影:繁田諭写真事務所)
照明器具には0-100%調光型の「HAS-LED-FMZ(※生産終了)」を採用しており、高い光束値からきめ細やかに調光できるのが特徴です。さらに、間接光を全体的に低色温度に設定することで、より落ち着いた空間づくりを実現しました。
※使用製品は生産終了につき、後継製品のTRIM LINEシリーズ「TRM-FMZ」をご参照ください。
製品名 | 建築化照明 TRM S-FMZ |
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特徴 | ・TRIM LINE LED照明器具(トリムライン) ・0%-100%調光兼用型 ・4000lmクラス ・LEDモジュール交換型 ・埋込み取り付け可能(※最小施工寸法をカタログ・取説で要確認) ・電源内蔵 |
製品名 | 建築化照明 TRM D-FMZ |
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特徴 | ・TRIM LINE LED照明器具(トリムライン) ・0%-100%調光兼用型(PWM / DALI 対応) ・4000lmクラス ・LEDモジュール交換型 ・埋込み取り付け可能(※最小施工寸法をカタログ・取説で要確認) ・電源内蔵 |
調光を活用した事例2:Wolfgang’s Steakhouse by Wolfgang Zwiener
続いて、レストランの事例を見ていきましょう。
Wolfgang’s Steakhouse by Wolfgang Zwiener
(撮影:NOMURA DESIGN & ENGRG. (S) PTE LTD)
シンガポールのレストラン「Wolfgang’s Steakhouse by Wolfgang Zwiener」では、天井や什器に色温度が低いライン型の間接照明を組み合わせたタスクアンビエント照明を採用しました。
これにより、必要照度を確保しながら高級感ある空間づくりを実現しています。空間の広がりと落ち着きを演出することで、お客様に特別な時間を提供することができます。
※使用製品「FX-LED2」は生産終了につき、後継製品の「FX50-LED」をご参照ください。
製品名 | LEDモジュール FX50-LED |
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特徴 | ・フレキシブル ・トップビュー ・最小曲げ半径50mm ・連結可(最大連結長5000mm以内) ・全100サイズ(特寸93種類) ・50mm毎で切断可能 ・DNL PROFILE SYSTEM PFSH/PFS適合LEDモジュール ・電源別置 |
調光を活用した事例3:西方庵
調光が最も多く取り入れられているのは住宅です。住宅では、リビングや寝室などで時間帯や用途に応じて光を調整することで、快適さやリラックス効果を高めることができます。
西方庵
(撮影:スタジオマップ/前田誠士)
築70年以上経過した邸宅をリノベーションした「西方庵」は、その好例と言えるでしょう。梁や欄間を間接照明で柔らかく照らし出すことで、歴史ある建物の美しさが一層引き立ち、空間全体に落ち着きと上質さが漂います。
このように、調光は快適さやリラックス効果をもたらすだけではなく、建築やインテリアの魅力を際立たせる力を持っています。住宅においても、日常の時間をより豊かに彩る大きな役割を果たしているのです。
※使用製品「FXS-LED」は生産終了につき、後継製品の「FXS2-LED」をご参照ください。
製品名 | LEDモジュール FXS2-LED |
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特徴 | ・フレキシブル ・最小曲げ半径50mm ・連結可(最大連結長5000mm以内) ・全83サイズ(特寸76種類) ・60mm毎に切断可能 ・電源別置 |
なお、弊社DNライティングの照明器具はPWM制御方式に対応している他、位相制御方式やDALI方式に対応する製品もご用意しています。さらに、電源別置タイプのLED製品の多くは、弊社専用のLED電源でPWM・DALI・位相制御のいずれにも対応しており、幅広い用途でご利用いただけます。
空間の快適さと雰囲気を自在に演出できる調光の魅力
今回は、調光の意味やメリット・デメリット、効果的な活用事例についてご紹介しました。
調光の最大の魅力は、照度や色温度を自由に調整することで、空間の表情を思い通りに変えられる点にあります。
シーンに合わせて異なる雰囲気を演出すれば、同じ場所でも多目的に活用することが可能に。これは、リビングや寝室といった住まいの空間はもちろん、オフィスやホテルなどの商業空間においても大きな価値を持ちます。
また、適切な明るさや色温度は集中力やリラックス効果を高め、心身の健康や生活・業務の質にも直結します。さらに、省エネやコスト削減にも寄与するため、持続可能な空間づくりにも欠かせません。
つまり調光は単なる「明るさ調整の機能」にとどまらず、快適な環境づくりや空間の価値を高める重要な要素のひとつだと言えます。導入目的を明確にし、メリット・デメリットを理解したうえで計画的に取り入れることで、その真価を最大限に引き出すことができるでしょう。
弊社DNライティングでは、色温度・配光・明るさの調整や設置位置・角度の工夫によって、空間の印象をシミュレーションすることが可能です。店舗設計や照明計画の際には、内装材のサンプルや照明器具の選定をもとに、より現場に近い環境での検討ができます。
「照明にこだわった施設を目指したい」「照明選びで失敗したくない」という方はぜひお立ち寄りください。
多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
私たちDNライティングは、業務用照明の専門メーカーです。
現在、百貨店・総合スーパー・ブランドショップ・専門店などの商業施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、病院、学校、美術館、マンション、寺社仏閣にいたるまで幅広くこだわりの光(ヒカリ)を表現できる照明メーカーとしてご用命を頂いております。
- 様々な空間に対応する多彩な品揃え
- お客様のニーズを実現するカスタマイズ力
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照明の役割がますます多様化し、その機能への期待が高まっている中、小空間から大空間まで様々なステージで対応できる豊富な商品を揃え、お客様のニーズにきめ細かく対応する照明専門メーカーを目指しております。ぜひお気軽にご相談ください。
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