LED照明の電源内蔵型の特徴とは?電源別置型(外付け型)との違いも比較

この記事をシェアする

LED照明には、「電源内蔵型」と「電源別置型(電源外付け型)」の2種類があります。

そのうちの「電源内蔵型」とは、LED照明の本体に電源ユニットが組み込まれているタイプのことです。取り付けが簡単で照度が高い器具が多い一方、器具断面が比較的大きいなどの注意点もあります。

この記事では、LED照明の電源内蔵型の特徴や仕組みを整理し、電源別置型(電源外付け型)との違いを比較しながら、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

目次

1.LED照明における「電源」とは?
2.LED照明の電源内蔵型とは?
3.LED照明の電源別置型(電源外付け型)とは?
4.【比較表】電源内蔵型と電源別置型の違い
5.どちらを選ぶべき?用途に応じたLED照明の選び方
6.用途に適した選び方ができるLED照明
7.多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング

 

 

LED照明における「電源」とは?

徳川美術館(撮影:佐藤久) 徳川美術館
(撮影:佐藤久)

LED照明に欠かせないのが「電源ユニット」です。LED照明の仕組みを深く理解するためにも、まずは電源ユニットの役割をおさらいしておきましょう。

LED照明における「電源」とは、LEDを正しく点灯させるうえで必要不可欠な直流電源装置のことを指します。

そもそも、LEDモジュールは直流(DC)でしか点灯できません。ところが、私たちが家庭やオフィスで使っている電源は交流(AC)です。

そのままではLEDを点けることができないため、100Vの交流を24Vの直流に変換する電源ユニットが必要になります。また、LEDは過大な電流に弱く、電流が不安定だとLEDの寿命の短縮に繋がるため、安定した電流制御を行うのも電源ユニットの役割です。

つまり、LED照明における電源とは、単なる電気供給装置ではなく、交流を直流に変換したうえで安定した電流を供給する「LEDの性能と寿命を守る装置」だと言えます。

関連記事:オフィスに適した照明の種類は?照度や色に配慮した照明の選び方

LED照明の電源内蔵型とは?

西原商会本社ビル CORE(3階オフィス)(撮影:針金建築写真事務所) 西原商会本社ビル CORE(3階オフィス)
(撮影:針金建築写真事務所)

ここからは、LED照明の電源内蔵型と電源別置型(電源外付け型)について詳しく解説する前に、まずは電源内蔵型の特徴やメリット・デメリットについてご紹介していきます。

LED照明「電源内蔵型」の特徴

LED照明「電源内蔵型」の特徴

LED照明の電源内蔵型とは、LEDを点灯させるための電源ユニットを器具本体に組み込んだタイプの照明のことで、LED灯具と直流電源装置を器具本体に一体化した構造が特徴です。

外付けの電源装置を別途用意する必要がないため配線が少なく、省スペースで設置でき、施工や取り付けも簡単。また、比較的明るい器具が多いことも特徴のひとつです。

例えば、天井直付けライン照明や間接照明(コーブ・コーニス)では、電源内蔵型が多く採用されています。器具単体で点灯できるため扱いやすく、施工性を重視する場面や照度が必要な中・大規模空間での用途に最適です。

LED照明「電源内蔵型」のメリット

LED照明の電源内蔵型の主なメリットとしては、以下のような内容が挙げられます。

  • 施工が容易(配線が容易)
  • 照度が高い器具が多い
  • 施工費を抑えられる

電源内臓型は電源ユニットと器具本体が一体化しており、器具の内部で電源を送る機能がある器具も珍しくなく、複数灯を接続する場合に配線が容易です。

但し、電気容量を超えて使用しないように最大連結灯数が設定されています。照明器具を連結して使用する場合は施工費や工事時間を抑えることもできる他、高い照度を確保しやすいというメリットもあります。

LED照明「電源内蔵型」のデメリット

LED照明の電源内蔵型は扱いやすく便利ですが、その一方で以下のようなデメリットもあります。

  • 器具断面が比較的大きい
  • 設置に必要な造作寸法が大きくなる

電源ユニットを本体に組み込む構造のため、電源別置型に比べて器具の断面が大きくなります。加えて、熱や安全性、メンテナンス性を考慮すると、設置に必要な造作寸法がどうしても大きくなってしまいます。

そのため、天井や壁の内部スペースに余裕がない場合は、設置自体が難しくなることも珍しくありません。また、器具自体が大きくなることで、デザインや取り付けの自由度に制約が出ることもあるため注意しましょう。

LED照明の電源別置型(電源外付け型)とは?

NEWoMan 横浜(撮影:荒木文雄) NEWoMan 横浜
(撮影:荒木文雄)

続いて、LED照明のもうひとつの種類である「電源別置型(電源外付け型)」の特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。

LED照明「電源別置型」の特徴

LED照明「電源別置型」の特徴

LED照明の「電源別置型」とは、LED灯具を点灯させる直流電源装置を別置きして単体で使用するタイプのことです。

電源ユニットを外部に置くことで灯具本体をコンパクトに保つことができ、内装や造作に組み込みやすいのが特徴です。さらに高出力照明にも対応可能で、長尺タイプや曲線対応のフレキシブル製品など、デザイン性の高さも電源別置型ならではの強みです。

配線長には制限があるものの、空間演出の幅を広げられることから、天井直付け意匠照明、天井・壁面埋め込みライン照明、曲線造作照明などのさまざまな場面で採用されています。

LED照明「電源別置型」のメリット

LED照明の電源別置型には、主に以下のようなメリットがあります。

  • コンパクトでスリムな形状
  • 断面サイズが小さいため狭小スペースに使用可能
  • 長尺品や長さバリエーションが豊富
  • フレキシブル製品で曲線対応が可能
  • LED灯具は定電圧で安全性が高い

デザインや施工の自由度を大きく高められることが、電源別置型の最大の強みです。狭い空間や曲線的なデザインを取り入れたい場面はもちろん、演出性の高い照明計画や意匠照明にも幅広く活用できます。

LED照明「電源別置型」のデメリット

一方で、LED照明の電源別置型には以下のようなデメリットがあることも押さえておきましょう。

  • 工事費が高くなりやすい
  • 配線や設置が複雑
  • LED灯具に対する電源の容量、連結長の検討や配線計画が必要
  • 直流電源装置の設置場所の検討が必要

直流電源装置を外付けにする構造上、設計段階での計画や施工に手間がかかりやすい点がデメリットです。特に、配線計画や電源容量の検討が不十分だと、照明が正常に点灯しないリスクもあるため注意が必要です。

また、直流電源装置の設置場所によってはスペースの使い方に工夫が必要になり、結果として設計費や施工費が増えることも少なくありません。

関連記事:デザイン性が高いオフィス照明はどう選ぶ?長所と短所もあわせてノウハウを紹介

【比較表】電源内蔵型と電源別置型の違い

LED照明の「電源内蔵型」と「電源別置型」はそれぞれにメリット・デメリットがあり、用途や設置環境によって最適なタイプが異なるため、違いを理解して選ぶことが大切です。 両者の違いを整理した比較表を用意しましたので、選ぶ際の参考としてご活用ください。

項目 電源内蔵型 電源別置型
明るさ 明るい(2000~3000lm/m) 控えめな明るさ(300~1500lm/m)
設置の手軽さ 施工が簡単 施工が複雑
見た目 器具断面が大きい スリム・コンパクト
故障時の対応 器具ごと交換の可能性がある 電源交換だけで復旧する可能性がある
電源の置き場所 考える必要がない 検討する必要がある
照明計画 容易(電源の容量、連結灯数に神経質にならなくて良い) 複雑(電源の容量、連結長の検討が必要)
設置スペース 熱や安全性、メンテナンス性から最小施工寸法が大きくなる コンパクトかつ低電圧なので安全性が高く、狭小スペースにも設置可能

どちらを選ぶべき?用途に応じたLED照明の選び方

デュオヒルズ甲府北口(撮影:佐藤久) デュオヒルズ甲府北口
(撮影:佐藤久)

省エネで長持ちし、さまざまなデザインや設置方法に対応できるLED照明。弊社DNライティングでは、電源内蔵型と電源別置型の両タイプを豊富に取り揃えており、用途に合わせて最適な製品をお選びいただけます。

ここでは、それぞれのタイプが向いているシーンや実際の使用事例についてご紹介します。

電源内蔵型が向いているシーン

施工性の高さと扱いやすさが特徴の電源内蔵型は、照度をしっかり確保したい中規模から大規模空間での用途に向いています。

例えば、一般住宅のリビングや寝室、オフィスや商業施設の室内照明など、器具の数が多く施工性や見た目のすっきり感を重視するケースに最適。また、既存の蛍光灯器具をリニューアルしたい場合にもおすすめです。

電源内蔵型を使用した事例1:桜十字病院

熊本県の桜十字病院では、受付や待合通路に電源内蔵型のLED照明が採用されています。

医療・福祉・予防医療を通じて、患者さま、地域の方々、職員の三者すべてが幸せとなる環境づくりを目指す同病院では、心地よい明るさで落ち着いた空間演出が施されています。

桜十字病院(撮影:有限会社ブリッツスタジオ 石井紀久) 桜十字病院
(撮影:有限会社ブリッツスタジオ 石井紀久)

本事例では、TRE2-APL(TRE2-APD後継品)を使用してベース照明や壁面間接照明を構成しています。

特にTRE2シリーズは、本体幅22mmのスリムなボディラインと3000lm/mの明るさを備えたライン照明が特徴です。埋め込み照明として空間に馴染むデザイン性と高い機能性を両立しており、さまざまな空間で活用できます。

TRE2-APL

製品名 TRE2-APL
特徴 ・スクエア型カバー
・調光兼用型
・ハイパワー・コンパクト型
・LEDモジュール交換型
・埋込み取付け可能(※最小施工寸法をカタログ・取説で要確認)
・JCD PRODUCT OF THE YEAR 2017 グランプリ受賞
・Ra96(高演色)、Ra98(自然光)も受注生産可
・電源内蔵
・電源送り

電源内蔵型を使用した事例2:DNライティング伊勢原本社

DNライティング伊勢原本社の新社屋では、電源内蔵型のLED照明「TRH S-FPL」が活用されています。

DNライティング伊勢原本社のEVホールに電源内蔵型を設置しており、昼光センサーにより光出力を自動調節する仕組みを導入。大空間でも一定の明るさを保つことができる点も、電源内蔵型の利点です。

DNライティング伊勢原本社 DNライティング伊勢原本社

本事例で取り上げたTRHシリーズは本体幅40mmのライン照明で、広めの空間でも安定した光量を確保できます。明るさは4900lm/mと大光量で、大空間や高天井のオフィス、ホールなどに適しています。

TRH S-FPL

製品名 TRH S-FPL
特徴 ・LEDモジュール交換型
・入力電圧:AC100〜200〜242V
・7000lmクラス(1500サイズ)
・スクエア型カバー
・調光兼用型
・埋込み取付け可能(※最小施工寸法をカタログ・取説で要確認)
・電源内蔵
・電源送り

電源別置型が向いているシーン

一方、電源別置型は器具をコンパクトにできるため、小規模な空間や大きな照度を必要としない場面に適しています。特に、店舗や飲食店の内装造作、ホテルや住宅の家具に組み込む意匠照明では、デザイン性を損なわず柔軟に設置できます。

さらに、電源装置を分離できる構造により、造作への組み込みや細かなデザイン演出にも幅広く対応可能です。

電源別置型を使用した事例1:玉川髙島屋S・C 本館2階

玉川髙島屋S・C 本館2階は、電源別置型のLED照明を活用した事例のひとつです。

連続性のある開放的な空間を目指した玉川髙島屋S・C 本館2階では、全体的に有機的なラインで空間をまとめる照明構成が取り入れられています。このように、デザイン性を活かしたいときは電源別置型が最適です。

玉川髙島屋S・C 本館2階(撮影:阿野太一) 玉川髙島屋S・C 本館2階
(撮影:阿野太一)

この事例では、テナントの境界があいまいで開放的な演出として、天井間接照明にフレキシブルタイプのLEDモジュール「FXH-LED」が採用されました。

LEDモジュール FXH-LED

製品名 LEDモジュール FXH-LED
特徴 ・フレキシブル
・高照度タイプ
・1014mmサイズで2820lmの明るさ
・最小曲げ半径150mm
・埋込み取り付け可能
・連結可(最大連結長5014mm以内)
・全100サイズ(特寸93種類)
・50mm毎で切断可能
・電源別置

電源別置型を使用した事例2:石川県立図書館

老朽化に伴って移転・新築された石川県立図書館にも、書架照明として電源別置型のLED照明が採用されています。

タスク(機能光)とアンビエント(環境光)の最適なバランスを細やかに計画した照明デザインによって、入ったときに眩暈がするような光に包まれた空間を演出しました。さらに、光量の多い書架照明が「どこにいても本が見える図書館」を実現しています。

石川県立図書館(撮影:株式会社 ライティング プランナーズ アソシエーツ) 石川県立図書館
(撮影:株式会社 ライティング プランナーズ アソシエーツ)

使用された電源別置型の製品は、フレキシブルタイプのLEDモジュール「MC-LED4 D」と「XC-LED2」の2種類。デザイン性に富むだけではなく、必要な光量がしっかり取れることも大きな特徴です。

MC-LED4 D

XC-LED2

製品名 LEDモジュール MC-LED4 D
特徴 ・スリムサイズ
・全73サイズ(特寸60種類)
・埋込み取り付け可能
・連結可(最大連結長2750mm以内)
・Ra98(自然光)も受注生産可
・電源別置
製品名 LEDモジュール XC-LED2
特徴 ・エクストリームコンパクト
・全45サイズ(特寸37種類)
・埋込み取り付け可能
・連結可(最大連結長2520mm以内)
・Ra96(高演色型)
・Ra96(高演色)、Ra98(自然光)も受注生産可
・電源別置

用途に適した選び方ができるLED照明

今回は、LED照明の電源内蔵型・電源別置型の特徴や両者の違いについてご紹介しました。

電源内蔵型は施工しやすく、高い照度が必要な空間に向いています。対して電源別置型は、デザイン性や柔軟な設置性を活かしたい場面に適しています。

それぞれのメリットとデメリットを理解しておくことで、導入時に失敗しにくくなり、用途に最適な照明環境を整えることが可能です。

ただし、実際にどちらを選ぶべきかは、設置する空間の広さや目的、求める演出効果によって異なります。そのため、製品特性を正しく理解したうえで照明計画を検討することが大切です。

弊社DNライティングでは、色温度・配光・明るさの調整や設置位置・角度の工夫によって、空間の印象をシミュレーションすることが可能です。店舗設計や照明計画の際には、内装材のサンプルや照明器具の選定をもとに、より現場に近い環境での検討ができます。

「照明にこだわった施設を目指したい」「照明選びで失敗したくない」という方はぜひお立ち寄りください。

体感型施設『照明実験空間 TOKYO / OSAKA』の詳細・ご予約 >

多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング

多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング 私たちDNライティングは、業務用照明の専門メーカーです。

現在、百貨店・総合スーパー・ブランドショップ・専門店などの商業施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、病院、学校、美術館、マンション、寺社仏閣にいたるまで幅広くこだわりの光(ヒカリ)を表現できる照明メーカーとしてご用命を頂いております。

  • 様々な空間に対応する多彩な品揃え
  • お客様のニーズを実現するカスタマイズ力
  • 多品種と高品質を支える自社生産体制
  • 照明その他電気工事の請負・設計監理

照明の役割がますます多様化し、その機能への期待が高まっている中、小空間から大空間まで様々なステージで対応できる豊富な商品を揃え、お客様のニーズにきめ細かく対応する照明専門メーカーを目指しております。ぜひお気軽にご相談ください。

【お問い合わせ・ご相談】

お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。

 

 

 

 

この記事をシェアする

カタログCATALOG

LED総合カタログ

LED総合カタログ

事例集

事例集

FXRGB

FXRGB

LED置き換えのご提案

LED置き換えのご提案

DNL紫外線ソリューション

DNL紫外線ソリューション
~食品工場編~

MU-LED

MU-LED

FXYシリーズ

FXYシリーズ

SFL

SFL

XC-LED2

XC-LED2

PFSH

PFSH

PFS

PFS

タグTAG