蛍光灯のLED化とは?必要な理由や交換方法について解説

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蛍光灯のLED化は、オフィスや工場、施設を管理する総務ご担当者様にとって、緊急の課題となりつつあります。

2027年末までに、水銀に関する国際条約(水俣条約)に基づき、一般照明用の蛍光灯の製造・輸出入が禁止されることが決定しており、蛍光灯の入手は今後、困難になることが予想されます。

この「2027年問題」に加え、電気代の高騰やSDGsへの取り組みが求められる現代において、省エネ性能に優れる「蛍光灯のLED化」は待ったなしの状況です。

しかし、「LEDに交換するメリットは?」「蛍光灯の交換だけでいいの?」「工事は必要?」など、その具体的な方法や注意点について、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、蛍光灯のLED化がなぜ今必要とされているのか、LED化のメリットとデメリット、そして安全かつ最適な交換方法を、工事の注意点も含めて詳しくご紹介いたします。

 

目次

蛍光灯のLED化が必要な理由とは

企業や公共団体のバックオフィスを担当されている方にとって、照明設備の管理は重要な業務の一つです。

冒頭でもお伝えしたように、現在、一般的な蛍光灯を使用している場合、これをLEDに切り替える「LED化」は、もはや検討事項ではなく、早急な対応が必要な課題となっています。

その背景には、主に以下の2つの大きな理由が存在します。

「水俣条約」による蛍光灯の製造・輸出入の禁止

蛍光灯は水銀による環境汚染リスクを低減するため、国際的な取り決めである「水銀に関する水俣条約」に基づき、一般照明用の蛍光灯の製造および輸出入が段階的に禁止されることになりました。

直管形や環形などの一般照明用の蛍光灯は、2027年末までに製造・輸出入が禁止されます。これに先立ち、電球形やコンパクト形蛍光灯は2026年末までに規制されます。

この影響が出ることが「蛍光灯の2027年問題」と呼ばれているものです。
2027年問題について詳しくは、下記の記事もご覧ください。

規制開始後も、すでに市場に出回っている在庫品の売買や継続使用は可能です。
しかし、製造が終了することで蛍光灯の入手は困難になり、価格の高騰や品不足が起こる可能性が指摘されています。

蛍光灯が手に入らなくなる前に、計画的にLED照明への切り替えを進めることが求められています。

蛍光灯器具の「故障」によるリスク

蛍光灯は、蛍光ランプが点灯している限り使い続けられると思われがちですが、内部の安定器や配線といった部品には寿命があります。
一般的に、照明器具の耐用年限は製造から約10年が目安とされています。

10年以上同じ器具を使い続けると、内部の安定器の劣化により、発煙や発火といった重大な事故につながる恐れがあります。

また、蛍光ランプを点灯させるために必要な安定器が寿命を迎えると、たとえ新しい蛍光ランプに交換しても点灯しません。
安定器は、設置環境や使用状況によって前後しますが、一般的に8~15年程度です。

※耐用年限とは、照明器具等が部材の経年劣化等によって不具合が生じる、または不具合が生じる頻度が高くなり交換を要するまでの使用期間をいい、「適正交換時期(8年~10年)」と「耐用の限度(15年)」があります。

LED化は器具ごとの交換がおすすめ

蛍光灯からLEDへ移行する際、最も安全かつ長期的なメリットが得られる方法は、「蛍光ランプだけをLEDに交換する」のではなく、「照明器具ごと(本体と蛍光ランプ)を交換する」ことです。

既存の蛍光灯器具に蛍光ランプだけをLEDに交換する方法は、一見すると手軽でコストが低いように思えます。
しかし、この方法にはリスクを伴うため、一般社団法人日本照明工業会や各メーカーは推奨していません。

それは、「蛍光灯器具の「故障」によるリスク」でもお伝えしたように、異常過熱・発火のリスクなどが発生するためです。

異常過熱・発火のリスクがある

蛍光灯器具とLEDの電気的な組み合わせが不適切な場合、器具やLEDの内部が異常に高い温度となり、発火・発煙などの重大事故につながる懸念があります。

製品保証の適用外になる

既設の蛍光灯器具に指定外のLEDを使用すると、器具メーカーの製品保証は適用外となります。

 

安全性を確保し、LED本来の性能を引き出し、長期的なコストメリットを得るためには、照明器具ごとLED照明器具に交換することを強くおすすめします。

蛍光灯からLEDへの交換方法

蛍光灯をLED照明に切り替える方法には、「工事が不要な方法」と「工事が必要な方法」があります。

工事が不要な場合

工事が不要なのは、配線器具が天井に設置されている場合です。
主に、次の2つのケースでは、工事が不要です。

電球形蛍光灯から電球形LEDへの交換

電球の形をした蛍光灯(電球形蛍光ランプ)を使用している場合は、口金やサイズが適合する電球形LEDに、ご自身で交換できる場合が多いです。

ただし、必ず口金(E26、E17など)と、ランプが収まる器具のサイズを確認し、適合するLEDを選んでください。

また、密閉型や調光機能付きの器具など、一部の器具はLEDが適合しない場合があります。パッケージや取扱説明書で確認が必要です。

引っ掛けシーリング式の環形蛍光灯からLEDシーリングライトへの交換

天井に「引っ掛けシーリング」という配線器具がついていれば、環形蛍光灯を使用したシーリングライトは、新しいLEDシーリングライトに比較的、簡単に交換できます。

器具を外した後の天井に、配線器具(引っ掛けシーリング)があるかを確認してみてください。

工事が必要な場合

バイパス工事、器具交換などが必要な場合は、工事を要します。

バイパス工事(安定器取り外し)

バイパス工事とは、既存の直管形蛍光灯器具の本体を活かしつつ、器具内部の安定器を取り外してLED用の配線に切り替える工事です。
配線工事のため、電気工事士による作業が必須となります。

バイパス工事後の器具には、従来の蛍光灯は使用できなくなりますので、注意しましょう。

器具ごと交換(LED照明器具へのリニューアル)

古い照明器具を天井から取り外し、新しいLED照明器具を設置します。
LED化は器具ごとの交換がおすすめ」でもお伝えした通り、器具ごと交換するのが最も安全で推奨される方法です。
最新のLED器具の性能を最大限に活かせ、器具の故障リスクも解消できます。

天井に配線器具(引っ掛けシーリング)がない場合や、直管形蛍光灯の器具(ベースライト)を交換する場合は、電気工事士による工事が必要です。

蛍光灯からLEDに変えるメリット

LED照明への切り替えは、単にランプが新しくなるだけでなく、次のように、企業経営や施設運営において多岐にわたるメリットをもたらします。

コストの削減につながる

まず、電気代を削減できます。
LEDは蛍光灯と比較して、消費電力が約1/2程度に抑えられるためです。

たとえば、一般的な蛍光灯シーリングライトをLEDに交換すると、年間約2,000円程度の節約効果を見込めます。
特に、使用灯数が多く長時間運用するオフィスや工場では、大幅な電気代削減につながります。

また、メンテナンス費用も削減できます。
LEDは光源寿命が長いため、交換頻度が大幅に減り、ランプ代や交換作業にかかる人件費・業者費用(高所の作業費など)の削減に貢献するのです。

光源寿命が長いので、買い替え頻度が少なく済む

LEDの光源寿命は一般的に約4万時間と、蛍光灯の8,000~2万時間と比較して非常に長くなっています。

このため、一度、交換すれば、約10年間はランプ交換が不要となり、管理担当者の手間も大きく軽減できます。

省エネが可能

前述の通り、LEDは蛍光灯の約1/2の消費電力で同等の明るさを得られます。
また、LEDは蛍光灯と比べて発熱量が少ないため、室温の上昇を抑え、冷房(空調)にかかる電力の節約という二次的な省エネ効果も期待できます。

消費電力が少ないことは、発電時に排出される二酸化炭素(CO2)の削減にもつながり、SDGsやカーボンニュートラルといった企業の環境への取り組みにもつながります。

照明効果などが高い

冬場の室温が低い場合、蛍光灯はスイッチを入れてから明るくなるまで時間がかかる場合がありますが、LEDは通電すると瞬時に点灯します。

また、蛍光灯は点灯・消灯の繰り返しで光源寿命が短くなりますが、LEDは頻繁にON/OFFしても光源寿命に影響がありません。
このため、節電のためにこまめに消灯する運用がしやすくなります。

さらに、LEDは紫外線や赤外線の放出が少ないという特性もあります。
このため、美術館や博物館での展示物へのダメージが少なく、また、紫外線に誘引される虫が寄り付きにくいというメリットもあり、食品工場などにも適しています。

※LED光源は380nm以下の紫外線域の光をほとんど含まないため、変色や退色はないと思われがちですが、 580nm以下の可視光によって被照射物が変色や退色(染料の変色・色落ちなど)することがあります。LED光源の可視光による変退色の程度は、白熱電球や美術館・博物館向け蛍光灯の可視光による変退色と同等です。

蛍光灯からLEDに変えるならDNLがおすすめ

DNライティング株式会社(DNL)は、蛍光灯時代から培ってきた技術を活かし、多様なニーズに応えるLED照明ソリューションを提供しています。

特に、企業のオフィスや公共施設など、プロフェッショナルな現場に求められる高品質な照明器具を取り揃えています。

LED照明器具への切り替えは、単なるランプ交換ではなく、企業の安全性の確保、長期的なコスト削減、そして環境への配慮を実現する重要な投資です。

DNLが製品と専門知識をもって、バックオフィス担当者様の安全でスムーズなLED化を強力にサポートいたします。

DNライティングについて詳しくはこちら

施工事例

【徳川美術館】

保存と鑑賞、その両立を目指す光文化財を未来へ守りながら、最高の鑑賞体験を提供できるよう展示環境の最適化に取り組んできた。

発色に優れ、作品本来の美しさを引き出すため高演色LEDを使用し、温かみのある色温度が漆工・絵画・書など和の伝統美を自然に引き立てている。

実機を見学したい方へショールームのご案内

東京と大阪の照明実験空間STUDIO E139(〒141-0031 東京都品川区西五反田1-13-5)とlab E135(〒564-0051 大阪府吹田市豊津町54-6) にて、実機を御覧いただき実際の光の出方の実験もして頂けます。
下記のボタンよりご予約をお願いします。

※密を避け安心して御覧いただくために、人数を限定してご案内いたします。

DNLの蛍光灯をお使いのみなさまへ

これらの蛍光灯をお使いの方は是非お問い合わせください!

ランプの生産終了
ランプの生産終了
ランプの生産終了
ランプの生産終了

まとめ

蛍光灯のLED化は、「2027年問題」による蛍光灯の供給不安、既存器具の老朽化に伴う火災リスク、そして企業経営における省エネ・コスト削減の重要性という、複数の観点から見て、避けては通れない課題です。

LEDへ切り替えれば、長寿命によるメンテナンスコストの削減、大幅な電気代の節約、環境負荷の低減といった大きなメリットが期待できます。

最も安全かつ確実にメリットを享受するためには、ランプ交換ではなく、照明器具ごと新しいLED照明器具に交換する方法がおすすめです。
交換にあたっては、必ず電気工事士による工事が必要なケースがあること、補助金や助成金制度が利用できる可能性があることも念頭に置き、専門の業者に相談しながら計画的に進めることが重要です。

ぜひこの機会に、貴社の照明環境のLED化を本格的にご検討ください。

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