間接照明がもたらす空間への効果・心身への効果【事例あり】

2023/04/13

ノウハウ

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間接照明とは、天井や壁などに光を反射させて、その拡散した光で空間を照らす照明を指します。間接照明と聞くと、空間がオシャレになるイメージを思い浮かべる人が多いかと思いますが、それ以外にも様々な効果をもたらしてくれます。

そこで今回は、間接照明がもたらす空間への効果と、心と身体へもたらす効果について、実際に弊社DNライティングの製品が採用されたコーディネート事例に触れながらご紹介します。間接照明の導入を検討されている方は、ぜひ参考にご覧ください。

間接照明がもたらす空間への効果

間接照明の導入を検討されている人の多くは、空間への演出効果を期待しています。では、間接照明がもたらす空間への効果とはどのようなものなのか、3つのポイントにまとめました。

空間への効果①：意匠性が高まる

西方庵
（撮影：スタジオマップ／前田誠士）

間接照明がもたらす空間的な効果の1つ目が、意匠性が高まる点です。

意匠性とは、空間に工夫を凝らして、人に「オシャレだな」「美しいな」という美的感覚を引き起こさせることです。そして、間接照明が使用された空間に美的感覚を引き起こさせる大きな理由として、光源や照明器具が見えない点があげられます。

そもそも間接照明は光源を見せないように造作へ納めるのが基本です。すると、必然的に照明器具自体が隠されますので、天井や壁面の見栄えを損なうことがありません。

また間接照明の光は、光源から直接照射する直接照明と比べて光が柔らかくなるため、事例のように建材の質感や色味を際立たせることも可能です。こういった間接照明ならではの特徴も、意匠性を高める要素だと言えるでしょう。

空間への効果②：立体感や奥行き感が演出できる

フローティングレストラン Pier21
（撮影：DNライティング株式会社）

間接照明がもたらす空間的な効果の2つ目が、立体感や奥行き感が演出できる点です。

例えば、事例のように下からR壁に沿って天井に反射させるコーブ照明は、境目がないふんわりとした光のグラデーションを生み出しますので、天井を高く見せたり、開放的な印象を持たせたりといった効果をもたらします。

デュオヒルズ甲府北口
（撮影：佐藤久）

また、壁面に光を反射させるコーニス照明は、壁面の材質によって個性ある陰影を作り出す表現が得意で、事例のような凸凹のある壁面を選ぶことで、より空間に立体感を演出することができます。

なお、間接照明の種類については「間接照明の基礎を解説！間接照明にはどんな種類がある？」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

空間への効果③：視線を集めることができる

SUSgallery青山本店
（撮影：石橋マサヒロ）

間接照明がもたらす空間的な効果の3つ目が、視線を集めることができる点です。

人間には自然と明るい場所に視線が行く習性があり、例えば舞台芸術で使用されるスポットライトは、その習性を活かしたライティングテクニックの一つです。

間接照明でもこのテクニックはよく活用されており、見せたい対象物に光を反射させる棚下照明は代表的な例だと言えるでしょう。事例のように、ディスプレイ棚の下に光源を取り付け、対象物に対して光を照射させることで、あたかも対象物から光が発せられているように見せることができます。

ちなみに、棚照明については「集客や照明計画の改善案！棚下照明のLED化に役立つアイデア」で詳しくご紹介していますので、設置をご検討の方はぜひ参考にご覧ください。

間接照明がもたらす心と身体への効果

照明は空間を照らすという役割の他に、私たちの心と身体をコントロールしてくれる役割も持ち合わせています。

次に、間接照明がもたらす心と体への効果について、事例と共に見ていきましょう。

心身への効果①：気持ちを落ち着かせてくれる

大分三愛メディカルセンター三愛総合健診センター
（撮影：有限会社ブリッツスタジオ石井紀久）

照明がもたらす心と身体への効果について考える上で、「照度」と「色温度」の2つの言葉を知っておく必要があります。

まず、照度とは明るさの度合いのことで、ルクス（lx）という単位で数値化されます。数値が高いほど明るく、低いほど暗くなります。

次に、色温度とは光の色のことで、ケルビン（K）という単位で表されます。数値が高くなるにつれて日中の太陽光に近い青みがかった光に近づき、低くなるにつれて明け方や夕暮れ時の太陽光のようなオレンジがかった光に近づきます。

私たち人間は、照度と色温度が高い光を浴びることで活動モードに入り、反対にこれらが低い光を浴びることで休息モードに入るようになっていますので、例えば事例の医療施設で、リラックスした雰囲気を演出する際は、色温度と照度を落とすという照明テクニックが使われているのです。

これらに加えて、光源が見える直接照明と比べて、光源が見えない間接照明は目に入る刺激が少ないとされています。リラックスするための空間で、直接照明より間接照明が採用される傾向が高いのはこのためです。

色温度別の空間の見え方については「LED照明の導入時に知っておきたい基礎知識」で事例をご紹介していますので、参考にご覧ください。

心身への効果②：集中力がアップする

大阪電気通信大学寝屋川キャンパス OECUイノベーションスクエア
（撮影：大阪電気通信大学）

リラックス効果の印象が強い間接照明ですが、集中力を高める目的で色温度と照度が高い間接照明を使用するケースもあります。

蛍光灯やシーリングライトのような光源から空間を直接照らす照明と異なり、間接照明は目への刺激を抑えたり、影が出にくいといったメリットをもたらしてくれますので、事例のような教育施設の他にも、本を読んだり勉強をする図書館や、オフィス、応接間、会議室などにも適していると言えるでしょう。

なお、このような長時間利用する空間には光源寿命が長いLED照明がおすすめです。LED照明とその他の照明との違いについては「LED照明は交換なしで何年使える？蛍光灯や白熱電球との違いを解説」をご覧ください。

心身への効果③：生活リズムが整いやすくなる

西方庵
（撮影：スタジオマップ／前田誠士）

照度・色温度のコントロールが可能な照明を採用すれば、作業時は照度・色温度が高い光、睡眠前は色温度・照度が低い光と調節することで、生活リズムを整える効果も期待できます。

もともと人間には、太陽光の変化に同調して体内環境を変化させる「サーカディアンリズム」という体内時計が備わっていますが、現代の人々はパソコンやスマートフォンなどの光によってサーカディアンリズムが崩れがちです。特に近年は、リモートワークで1日中部屋の中で過ごしたり、寝る前にスマホでSNSをチェックしたりといった行動が習慣化している人が増え、寝付きの悪さや睡眠の質低下で悩む人が少なくありません。

このような状況を解消するため、サーカディアンリズムを整える目的で調光調色可能なLED照明を導入する企業やシェアオフィスが増加傾向にあります。これからオフィスの照明プランニングを検討されている方は、ぜひ健康経営という観点からも照明を考えてみると良いでしょう。