照明は新たな参拝者のいざない、仏教美術や歴史の継承の一助となる

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照明は新たな参拝者のいざない、仏教美術や歴史の継承の一助となる

20-30代の僧侶達が発刊するフリーペーパー「フリースタイルな僧侶たち(#.以下フリスタ)」。DNLは2019年秋、このフリスタ編集部とともに「お寺の明かりを考えるプロジェクト」をスタートしました。
このプロジェクトの第一弾のアウトプットである大阪ミナミの三津寺の本堂の照明を改善する実証実験について、三津寺の加賀副住職にお話頂きました。
第二回目は、お寺の照明を改善してみて、実際どう感じたか、参拝者がどのような反応をしたかについて、沢山の照明実験写真を振り返りながらお話をお聞きしました。(第一回目の記事はこちら

#.発刊部数:毎号1 万5000 以上。Web マガジンや主催イベントも多数展開。https://freemonk.net/

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三津寺 
副住職 加賀俊裕氏



目次

1.配線や機器が仏様の世界を現す本堂や須弥壇の雰囲気を壊さないカタチ
2.ライトアップによる新たな参拝者への期待、仏教美術や歴史の継承としての役割の意識
3.美術館の様な細部に到る見え方と本堂全体が語る仏教の世界両方がかなう照明のチカラ

 

 

1. 配線や機器が仏様の世界を現す本堂や須弥壇の雰囲気を壊さないカタチ

Q)お寺に求められる照明づくりについてお聞かせください。まずは、お寺における照明と建築物の困りごとや悩みはどんなのがありますか?

A) 多くのお寺の場合、お寺の本堂や須弥壇は仏様の世界を現しています。そのため、灯りを活用したいと思っても、その配線や照明機器自体、また、あかりが作る影などがその雰囲気を壊さないようにすることが大切です。また、壁や柱にも荘厳や彩色が施されている場合も多く、設置に躊躇することも多いです。それらをクリアする方法や機器があったとしても、お寺の照明に関するトータルのイメージを相談できる専門家(照明デザイナー)が身近にいないため、イメージを具現化することも難しいです。

三津寺ライティング
三津寺ライティング

2.ライトアップによる新たな参拝者への期待、仏教美術や歴史の継承としての役割の意識

Q)お寺において照明に期待することはどんなことでしょうか?

A)本堂や参道などのライトアップによりこれまで仏教に関心の無かった新しい参拝者が増えると同時に、その良さを再発見してもらいたいです。また、お寺の大きな役割の一つとして、仏教美術や歴史の継承があります。文化財に最大限負担をかけない形で時には拝観料を頂き、仏教美術を見ていただくことも、それらの維持につながると考えています。そして、目立たない(本堂の雰囲気を損なわない)本堂は仏教の大観実践の場であるため、その雰囲気を壊さないことに最大限配慮が必要であると考えています本堂はお勤めや儀式だけでなく、瞑想や写経などの仏教修行、僧侶の法話、また今後は葬儀や結婚式などの人生の節目の儀式への活用も再注目されつつあります。そのため、利用シーンに合わせた照明の使い分けなどにも期待しています。

三津寺ライティング
三津寺ライティング
三津寺ライティング
三津寺ライティング

 

3.美術館の様な細部に到る見え方と本堂全体が語る仏教の世界両方がかなう照明のチカラ

Q)三津寺を実際にライティングしてみて感じたこと、ライティングを変えたあとの一般公開での参拝者の反応はどうでしたか? 

A)これまで、三津寺では、何度か本堂と仏像の一般公開を行ってきました。本堂内に祀られる仏像が多く、それなりに高評価をいただいておりました一般公開でしたが、今回大きく違ったのは、密教寺院としての雰囲気を保ちながら、本堂内の彩色や仏画、仏像の細部までご覧いただけたということです。仏像は、美術館で展示すれば、暗い本堂と違って、細部まで見ていただきその仏様についてよく理解いただくことができるのですが、一方で、その仏像が本来祀られている本堂全体が語るトータルの物語や仏教の教えとは切り離されてしまいます。今回のライティングの大きな強みはその両方を満足させて状態で参拝者の方々にご覧いただけたというところに大きな価値があったのではと感じました。参拝者も、お堂に入られた瞬間に感じた一大仏教世界に言葉を失っているように感じました。


三津寺特別拝観
三津寺特別拝観

Q)照明実験をしてみて、改めて、お寺としてこれから大切にしたい事と照明の関係は、どうお考えでしょうか? 

A)2500 年前とまではいきませんが昔と今では世間一般の人々が持っている経験や勉強量なども変化してきているため、お寺に期待することも多種多様になっているように感じます。近年の寺院観光客や仏像・仏画展の来場者が増えていることも、その期待の一つで、お寺の持つ歴史や正厳・彩色の特色、仏像や仏画の持つ意味やその表現方法、時代背景などを知るという切り口から「仏教とは何か?」を求めているのではないかと思うのです。しかしながら、お寺は仏教の教えを体感し実践する場であり、美術館のように美術品を展示する場ではありません。だからこそ、参拝された方に、より仏教世界や仏様の教えを体感いただき、その教えを実践いただきたいという明確な目的を持って、照明なども工夫していかなければいけないと思います。例えば、当山のように密教寺院であれば、密教の儀式やお勤めをする際は参拝者がより仏様の世界に入り込めるよう幻想的な照明にし、御本尊の説明を行う際には仏様の細部に興味を持っていただけるよう、美術館のような照明にするなど。シーンに寄っての照明の使い分けなども今後必要になってくると考えます。

三津寺ライティング
三津寺ライティング

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