マンションの照明のLED化とは?交換が必要な理由や交換・工事の方法、費用について解説
近年、多くのマンションやビル管理において、照明のLED化は避けて通れない喫緊の課題となっています。
特に、2027年末までにすべての一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入が禁止される国際的な決定を受け、今後は在庫の確保が難しくなり、突発的な不点や修繕対応に支障が出る可能性も高まっています。
この記事では、照明設備の更新を検討されている施設管理担当者様に向けて、LED化が必要な背景や具体的な工事の流れ、コスト目安までを網羅してご紹介いたします。
目次
1.マンションの照明のLED化とは
2.マンションのLED化が必要な背景
3.マンションの照明をLED化するメリット
4.マンションのLED交換・工事の方法
5.マンションのLED交換・工事に必要な費用
6.まとめ
マンションの照明のLED化とは
マンションのLED化とは、主に共用部(エントランス、廊下、階段、駐車場など)で使用されている従来の蛍光灯や白熱電球を、LED照明へ切り替えることを指します。
共用部の照明をLEDへ更新することで、電力消費や保守コストを大幅に削減できる点が大きな特長です。
単にランプを付け替えるだけでなく、照明器具そのものを最新のLED照明器具へ更新する工事を含めて検討されるのが一般的です。
マンション管理において、照明の維持管理はコストと手間の両面で大きな比重を占めます。
LEDは従来の照明に比べてエネルギー消費効率が格段に高く、光源寿命も非常に長いため、建物の管理運営を効率化する上で欠かせません。
マンションのLED化が必要な背景
マンションのLED化は、今後「やった方がよい」ではなく「対応が必要」なテーマになりつつあります。
その最大の理由が、国際的な規制による「蛍光灯の廃止」です。
2013年に採択された「水銀に関する水俣条約」において、一般照明用の蛍光ランプの製造および輸出入を2027年末までに段階的に禁止することが決定されました。
この決定により、2028年以降は市場から蛍光灯が姿を消していくことになります。
製造が終了すれば在庫の確保が困難になり、価格も高騰する可能性が高いでしょう。
また、古い照明器具を使い続けることは、内部部品(安定器、ソケット、配線)の劣化による発熱や故障のリスクも伴います。
一見問題なく使用できているように見えても、突発的な不点灯やトラブルにつながるケースも少なくありません。
このように、LEDへの移行は省エネ対策としてだけでなく、物理的に「既存の照明が維持できなくなる」というリスク回避の観点から求められているのです。
マンションの照明をLED化するメリット
LED化によって得られる恩恵は多岐にわたりますが、特にマンション経営・管理の視点から重要な3つのメリットをご紹介します。
消費電力が低い
LED照明の最大の特長は、消費電力の圧倒的な少なさです。
一般的に、LEDは白熱電球の約8分の1、蛍光灯の約2分の1程度の電力で同等の明るさを確保できるといわれています。
特に、24時間点灯し続ける必要がある共用部の廊下や階段などでは、この電力差が月々の電気代削減に直結します。
ランニングコストを抑えられる
消費電力が下がることで、当然ながら電気代という固定費を大幅に削減できます。
特に電気料金の高騰が続く昨今において、消費電力の削減は企業の利益確保や管理組合の財政安定につながります。
初期費用が高いと思われがちですが、削減された電気代で数年から10年程度で投資費用を回収できるケースが多く、長期的にはコストメリットの大きい施策といえます。
メンテナンスの手間を削減できる
LEDの光源寿命は約4万時間と非常に長く、蛍光灯と比較しても数倍の長さがあります。
(1日10時間使用した場合、約10年程度の使用が可能※)
このため、不点対応や交換作業の負担を減少させられます。
特に、高所にある照明や、数が膨大な大規模マンションの廊下灯など、交換作業に外部業者への委託費が発生していた場所では、人件費や外注費の抑制効果も期待できます。
※一般社団法人 日本照明工業会「マンション共用部の照明をLEDに交換 省エネ性や管理費用削減のポイントをご紹介」
https://www.jlma.or.jp/led-navi/contents/cont38_mansionLighting.htm
マンションのLED交換・工事の方法
LED化を進める際は、現状の器具の状態や予算に合わせて主に以下の3つの手法から選択することになります。
光源のみの交換
既存の照明器具をそのまま使い、電球やランプだけをLED照明に差し替える方法です。
最も初期費用を抑えられる方法ではありますが、特に蛍光灯器具の場合、器具内部の「安定器」がそのまま作動し続けるため、節電効果が限定的になる場合があります。また、安定器の経年劣化による故障リスクが残る点にも注意が必要です。
安定器バイパス工事
既存の器具を活かしつつ、内部の安定器を切り離して、LED照明に直接電気を送るように配線を組み替える工事を実施する方法です。
上記のランプ交換のみよりも節電効率が高まり、安定器の劣化による発熱トラブルも回避できます。
ただし、器具のソケット、配線部分などが劣化している場合は、その後の故障リスクが残るため、施工前の状態確認が不可欠です。
導入にあたっては、日本照明工業会の指針に基づき、規格に適合したLEDの使用※1と、安全基準を遵守した改造工事※2が強く求められています。
なお、既存の器具に手を加える「改造」を伴うため、メーカーによる器具本体の製品保証は対象外となる点にも、注意が必要です。
※1「AC 直結G13口金直管LED光源安全規格」一般社団法人 日本照明工業会 2024年11月15日改正
https://www.jlma.or.jp/siryo/pdf/kokai/JLMA301-2024.pdf
※2「既設の蛍光灯器具をAC直結G13口金直管LED光源用に改造工事する場合の注意」一般社団法人 日本照明工業会 2021年4月21日制定
https://www.jlma.or.jp/siryo/pdf/kokai/guide301.pdf
器具交換
照明器具本体をまるごと、LED専用の最新器具に交換する方法です。
LEDの性能を最大限に引き出せるため、長期的な運用を見据えた場合に最もおすすめできる方法といえます。
器具交換により、デザイン性の向上や、人感センサー付き器具への変更による、さらなる省エネ化も可能です。
器具ごと新しくなるため、耐用年限※もリセットでき、8~15年程度の長期的な視点で見れば、故障リスクが最も低く、メンテナンスコストを最小化できる選択肢といえます。
※耐用年限とは、照明器具等が部材の経年劣化等によって不具合が生じる、または不具合が生じる頻度が高くなり交換を要するまでの使用期間をいい、「適正交換時期(8年~10年)」と「耐用の限度(15年)」があります。
マンションのLED交換・工事に必要な費用
LED化にかかる費用は、交換する箇所の数や選択する工事方法によって変動します。
一般的な目安としては、以下の要素を考慮する必要があります。
器具代・ランプ代…導入するLEDまたはLED一体型器具の本体価格です。
施工費(工賃)…安定器の撤去、配線接続、新しい器具の取り付けなど、作業にかかる人件費です。
諸経費…廃材処分費(安定器や古い器具)、運搬費、現場管理費などが含まれます。
なお、規模や条件にもよりますが、電気代削減効果によって数年から10年程度で投資回収できるケースが一般的です。
まとめ
マンションの照明のLED化は、2027年の「蛍光灯製造禁止」という法的なデッドラインへの対応であると同時に、電気代の削減や管理業務の効率化を実現するのに有効な投資であるともいえます。
特に、施設管理を担う部門においては、入居者の利便性向上や安全確保、そして建物の資産価値を守るためにも、早期の検討が望ましいでしょう。
まずは共用部の照明台数や使用時間を把握し、専門業者による現状調査からスタートすることをおすすめします。
計画的な切り替えを行うことで、将来的なコストリスクを抑え、持続可能な施設運営を実現できるでしょう。
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