空間の中で光を美しく見せる建築化照明ですが、どのような種類があるのでしょうか。

今回は、代表的な建築化照明の種類についてまとめるとともに、建築化照明に最適なDNLの製品をご紹介します。

目次

1.建築化照明とは
2.建築化照明の種類（手法）
3.使用例でみる建築化照明の種類
4.最適な建築化照明が見つかる！種類豊富なDNL製品
5.建築化照明の種類で悩んだら美しく明るいDNLを
6.多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング

建築化照明とは

建築化照明とは、光源を床・壁・天井に一体化するように収め、意匠性（美しさ）と機能性（明るさ）を両立させた照明の方法を指します。

ポイントとしては、間接照明のように光源を隠しながらも、その照明器具や照明BOX、幕板などが建築空間に違和感なく納まり、光が空間の質を高めるように計画されていることが重要です。

また建築化照明は、空間のコンセプトを反映・踏襲しているものが多く、意匠設計者や照明設計者が協働しながら計画されます。

建築化照明の種類（手法）

では次に、建築化照明の種類や手法について、光源の位置や照射する方向を踏まえながらご紹介します。

コーブ照明

西方庵
（撮影：スタジオマップ／前田誠士）

コーブ照明とは、天井に近い壁に照明器具を配置し、天井面を照射してその間接光によって明るさを得る照明方法です。

間接光によって、天井と壁の境界がはっきり見えなくなるため空間の広がりを演出できます。住宅のリビングや寝室、店舗やホテルのホール、ロビーやラウンジなどに採用され、落ち着いた雰囲気を演出することができます。

ただ、天井面に反射率が高い素材や艶あり塗装が採用されている場合は光源が映り込む可能性があるため、天井仕上げを考慮した設置の検討が必要です。

コーニス照明

オフィス廊下
（撮影：荒木文雄）

コーニス照明とは、壁面に近い天井に照明器具を配置し、壁面を照射してその間接光により明るさを得る照明方法です。

こちらの照明方法も、コーブ照明と同様に空間の広がりを演出するとともに、光が壁に延びていくことから、壁の仕上げ材の美しさをより引き立たせる効果があります。

光源を床の方向に向ける場合は、人の目に光が入り込まないよう、カットオフラインの検討、天井納まりや寸法の検討などが必要となってきます。

バランス照明

バランス照明とは、壁面に設置し、壁と天井の両方に照明を向けて反射させる間接照明です。壁面と照明器具の距離によって間接光の明るさが変わるため、シミュレーションによる検討が必要です。

また、光源の位置が人の目線の高さにある場合、直接光が目に入り眩しくなるため、設置高さや光源を隠す遮光板（幕板）の高さの調整も大切です。

アッパー照明

アッパー照明とは、床や壁の一部から上向き照明（ダウンライトやライン照明など）を埋め込んだ種類の照明です。

主に壁面および天井面を照射し、屋内・屋外、時間、場所、用途別にさまざまな商品が各照明メーカーより発売されています。特に、夜間のアッパーライトは空間や外構、植物などを幻想的に浮かび上がらせる効果があります。

意匠照明

意匠照明とは、建築空間において水平や垂直や幾何学などのデザインされた天井・壁・床面から発光させる照明方法です。

設計意図やコンセプトが反映されている場合が多く、形状も複雑であるケースもあるため、発光面には長さや幅、シームレスさなどが求められます。

光天井

光天井とは、天井面自体を発光させ、天空光のようなやさしい光を照射する照明です。

光天井は、店舗やディスプレイ空間などでシステム天井や膜天井を用いて採用されるケースが多く、空間や商品の意匠性や視認性を向上させる照明方法です。

しかし、内装制限がある建築物や天井が低い空間には不向き（空間が狭いと拡散光の効果が少ない）な照明方法でもあります。

使用例でみる建築化照明の種類

では次に、これまでにご説明した建築化照明の種類の具体例をいくつかご紹介します。

コーニス照明：壁面を照らし空間に奥行を演出

街と繋がるアウターリビングのあるSOHO
（撮影：スタジオマップ／mantle design）

こちらは、コーニス照明を用いて壁面を照射し、天井と壁の境界を光であいまいにすることで奥行きを演出した事例です。

照明器具は、建築化照明SCF-LED-APLを採用しています。照明器具の発光断面が半円状になっており、柔らかな拡散光を照射させることができます。

また、サイズ展開は301mm、504mm、848mm、998mm、1139mm、1245mm、1492mmの7種類の定番サイズに加え、257,398,451,601,751,892,1192mmの特寸もあり、木造在来の910mmモジュールに対応しているスタンダードな間接照明です。

連結もシームレスにできることにより、事例写真のような美しい長い水平ラインの光を演出することができます。どのサイズを連結しても同じ輝度のリニアな光が連続できる点がこの製品のポイントの一つでもあります。

使用製品＞建築化照明 SCF-LED-APL

バランス照明：空間の高さや奥行をより立体的に演出

バランス照明の事例
（DNライティング株式会社）

こちらはバランス照明を用いて、壁から上下に伸びる光で、天井の高さや奥行きを立体的に演出した事例です。

壁面に目隠しを設置し、その裏側に光源を隠す形で照明をセットします。上下にある程度のスペースが必要になるものの、壁や天井が明るいと高さや奥行きをより立体的に感じられるようになるので空間を広く見せることができます。

また、目隠し部分が光で浮き上がるように目立つため、視線の高さにバランス照明を設置すれば、見る人の視線を効率良く誘導できます。

照明器具は、コーニス照明の事例でもご紹介した建築化照明 SCF-LED-APLを採用しています。器具幅が26mm、高さが44mmとコンパクトであることから、光源を見せないバランス照明のような建築化照明に最適です。

使用製品＞建築化照明 SCF-LED-APL

コーブ照明：空間にくつろぎ・落ち着きを演出

聖マリアンナ医科大学病院　特別療養環境室
（撮影：荒木文雄）

こちらは、コーブ照明を用いた天井の柔らかい光で施設利用者の心を落ち着かせる事例です。

グレアの無い柔らかい光が天井に延び、やさしい拡散光により穏やかで落ち着きのある雰囲気を演出しています。

照明器具は、LEDモジュールFXYS-LEDを採用しています。こちらの商品は、ディフューズ（粒無し）タイプのLEDで、横曲げが可能であるため実例写真のようなアールがある箇所にも使用ができます。

また、11mm角の非常に小さな器具断面であるため、天井や壁面、家具、店舗の什器などの細かい造作部分にもフィットすることが大きなポイントです。

なお、縦曲げにも対応したFXYT-LEDとの組み合わせによって、より空間に自在な光を演出することが可能です。

使用製品＞LEDモジュール FXYS-LED

アッパー照明：均斉度が高い光で空間の美しさを演出

西方庵
（撮影：スタジオマップ／前田誠士）

こちらはアッパー照明を用いて、シームレスなリニアライティングを実現することで空間の美しさをより際立たせた事例です。

照明器具は、建築化照明SCF-LEDN-APLを採用しています。

こちらの製品は、一面発光でナロー配光タイプであるため、強い光を壁や天井に照射することができます。光源から2〜3ｍの壁面などに対して均斉度が高い照明効果が得られることがポイントです。

また、器具同士の連結部が目立たない器具構造であるため、美しく連続した光を照射することができます。

使用製品＞建築化照明 SCF-LEDN-APL

意匠照明：複雑な光のデザインを演出

こちらは、意匠照明を用いて幾何学の壁面の一部を光によりデザインした事例です。

照明器具は、LEDモジュール MU-LEDを採用しています。

こちらの製品は、ドットレスな幅5mmの発光面で、シャープで美しいライン照明をつくることができます。よって、上記の採用例のような複雑な形状にも対応が可能です。

器具幅5mm高さ10mmの非常にコンパクトな断面であることから、狭い場所や限られた空間に設置でき、薄い棚板やショーケース、意匠造作などの埋め込み取り付けに最適と言えます。

使用製品＞LEDモジュール MU-LED

最適な建築化照明が見つかる！種類豊富なDNL製品

最後に、建築化照明に最適な弊社の製品をご紹介いたします。

細かい造作や狭いスペースにも設置できる建築化照明

まずは、細くて狭いスペースにも納まるXC-LED２をご紹介いたします。

こちらの製品は、幅8mm高さ10mm（天井埋め込み深さ約13.5ｍｍ）の非常にコンパクトな照明器具で埋め込み取り付けが可能なので、灯具が目立たず、造作や空間と一体化することが特徴です。

また、連結時に発光面や側面の光が途切れず美しいライン照明や間接照明が実現できます。

電源内蔵・一面発光で納まりが良い建築化照明

次に電源内蔵型の建築化照明TIE-APLとTIM-FPLをご紹介します。

この2つの製品はいずれも電池内蔵型の照明器具です。TIE-APLは器具幅25mm×高さ57mm、TIM-FPLは器具幅44mm×高さ57mmであり、コンパクトでスリムな形状です。

また、ハウジング厚も0.5mmと非常に薄く、光の美しさをダイレクトに表現できる器具デザインとなっています。

一番の大きな特徴は一面発光であり、直下面だけをシャープな光で演出したい場合に最適な照明器具です。

これらの製品は、器具が見えても美しいフォルムであるため、直接照明としても間接照明としてもおすすめです。

電源別置・繊細で美しい光を演出する建築化照明

次に電源別置型の建築化照明MU-LEDをご紹介します。

こちらの商品は器具幅がわずか5mm高さ10mmの極細タイプの照明器具です。

より狭く、小さい場所にも納まり、薄い棚板やショーケース、意匠造作などの埋め込み取り付けも可能です。

また、ただコンパクトなだけではなく、直接見せても美しいドットレスな発光面であることから、細くてシャープな光を演出できさまざまな建築空間にマッチします。

このMU-LEDは第17回JCD PRODUCT OF THE YEAR 2023準グランプリを受賞しています。

その他、MC-LED4DやXC-LED2も狭い空間への取り付けや家具・什器に最適なDNLのスタンダード照明として、根強い人気があります。

建築化照明の種類で悩んだら美しく明るいDNLを

今回は、建築化照明の種類ついて、具体的な事例をあげながらご紹介しました。

建築化照明は空間に溶け込みながら、間接光により空間に奥行きや広さ、温かみを演出する照明方法です。よって、器具の明るさだけではなく、コンパクトさや施工性も重要となってきます。

また今回ご紹介した照明器具は、似たような製品でもメーカーによって光の質や特徴が全く異なりますので、慎重にプランを立てていく必要があります。

このような事情から、「光」が大切な空間では、専門の設計事務所に依頼し、照明メーカーや照明プランナーを交えて照明選びを進めていくのが一般的です。

弊社DNライティングでは、「色温度・配光・明るさ」と「設置位置・角度」をシミュレーションしていただける体感型施設を東京と大阪の2箇所に設けており、内装材のサンプルをお持ちいただけると現場に近い環境も再現可能です。

「照明にこだわった施設を目指したい」「照明選びで失敗したくない」という方はぜひお立ち寄りください。

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多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング

私たちDNライティングは、業務用照明の専門メーカーです。

現在、百貨店・総合スーパー・ブランドショップ・専門店などの商業施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、病院、学校、美術館、マンション、寺社仏閣にいたるまで幅広くこだわりの光（ヒカリ）を表現できる照明メーカーとしてご用命を頂いております。

照明の役割がますます多様化し、その機能への期待が高まっている中、小空間から大空間まで様々なステージで対応できる豊富な商品を揃え、お客様のニーズにきめ細かく対応する照明専門メーカーを目指しております。ぜひお気軽にご相談ください。

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