間接照明とは?種類・照明器具などの基礎知識や空間演出のポイントについて
間接照明は、おしゃれな空間を作りたい・リラックス効果を高めたい・高級感を出したいといった様々な空間ニーズに応えてくれることから、あらゆる場所で活躍している照明です。
商業施設だけでなく、近年ではマンションや戸建てなど、住まいのインテリアをおしゃれに演出する方法としても、人気が高まっています。
そこで今回は、そもそも間接照明とは一体何なのか、定義や特徴、種類、使用する照明器具など、間接照明を扱う上で知っておきたい基礎知識についてご紹介します。また、間接照明で空間を演出する際のポイントや注意点についても解説していますので、ぜひご覧ください。
目次
1.間接照明とは?特徴・種類・照明器具について
2.間接照明を採用する際のポイントとは?
3.間接照明を採用する際の注意点とは?
4.間接照明でワンランク上の空間演出を
5.多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
間接照明とは?特徴・種類・照明器具について
間接照明とはそもそも何なのか、特徴や種類、使用する照明器具などの基礎知識について見ていきましょう。
間接照明とは?
間接照明とは、建築物や造作に照明器具を組み込み、壁や天井を照らし、柔らかい光で心地よい空間を作るための照明テクニックです。
間接照明と聞くと、一般的に「空間がおしゃれになる」「リラックス効果がある」「高級感が出る」といった意匠的なメリットが先行しがちですが、それ以外にも、空間に奥行きを持たすことができたり、明るさ感が増すなどの機能的なメリットも持ち合わせています。
間接照明と直接照明の違い
間接照明に対して、空間を直接照らす照明テクニックを直接照明といいます。例えば、天井や壁に取り付けたスポットライトや、デスクの上を明るく照らすデスクライトなどが直接照明に該当します。
間接照明の演出方法は3種類
間接照明の演出方法には、天井に反射させるコーブ照明、壁に反射させるコーニス照明、天井と壁の両方に反射させるバランス照明の3種類があります。
【間接照明の演出方法】
- コーブ照明:光を天井に反射させる方法
- コーニス照明:光を壁に反射させる方法
- バランス照明:天井と壁の両方に反射させる方法
この他にも、棚の奥側に光源を設置して商品を間接的に照らす方法や、玄関のシューズボックス下に光源を設置して床面を照らす方法など、プランニング次第であらゆる空間が演出可能です。
間接照明の種類については、「間接照明の基礎を解説!間接照明にはどんな種類がある?」で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
【コーニス照明の事例】
間接照明で使用する照明器具
間接照明で使用する主な照明器具は、テープ状になっているテープライトや、一部分だけを照らすスポットライト、壁に取り付けるブラケットライト、自由に移動させられるスタンドライトがあります。
また近年、LED基板をケースにはめ込んだバーライトと呼ばれるアイテムも登場しており、例えばディスプレイされた商品を照らす棚ライトや、冷蔵・冷凍ケース内の照明などに活用されています。
なかでもLEDを使用した照明は省エネルギーで長寿命、虫が寄りつきにくく、色味や照度を調整できるといったメリットがあり、人気が高い間接照明器具となっています。
LED照明については「LED照明で他店舗と差別化!照明でオリジナリティーを出す方法」もご参照ください。
間接照明を採用する際のポイントとは?
次に、間接照明を採用する際のポイントとは何かを見ていきましょう。
ポイント①:空間の使い方を考慮すること
間接照明を採用する際のポイント1つ目が「空間の使い方を考慮すること」です。
照明プランニングで大切なのは、その空間をどのように使うのかという点です。おしゃれな空間にこだわるあまり、かえって空間の使い勝手が悪くなるようでは本末転倒だからです。
例えばカフェには、くつろぐことを目的に訪れる人もいれば、読書・勉強・仕事といった作業をするために訪れる人もいます。おしゃれな空間を演出するために間接照明のみで明るさを確保した場合、前者のお客様はリラックスできますが、後者のお客様には不都合が生じます。かといって直接照明のみで明るさを確保した場合、空間全体が明るくなりすぎて、おしゃれな空間だとは言い難いでしょう。
そのため、
- 空間の使用目的にあった照度が確保できているか?
- 極端に暗い・明るい場所がないか?
- 安全性が確保できているか?
などの点に考慮しながら、複数の照明器具を組み合わせて空間を演出していきます。
ポイント②:照明の色を考慮すること
間接照明を採用する際のポイント2つ目が「照明の色を考慮すること」です。
一般的に照明の色は、電球色・温白色・白色・昼白色・昼光色の5種類に分けられ、これらはK(ケルビン)という色温度の単位で分類されます。K(ケルビン)の数値が低い方が暖色系に、数値が高い方が寒色系の色味となり、太陽光に近い色温度を持つ昼白色で約5,000Kとなります。
色温度の種類 | JISの相関色温度範囲 | 代表的な色温度 |
---|---|---|
電球色 | 2600〜3,250K | 2,800K |
温白色 | 3,250〜3,800K | 3,500K |
白色 | 3,800〜4,500K | 4,200K |
昼白色 | 4,600〜5,500K | 5,000K |
昼光色 | 5,700〜7,100K | 6,500K |
色温度の種類 | 電球色 |
JISの相関色温度範囲 | 2600〜3,250K |
代表的な色温度 | 2,800K |
色温度の種類 | 温白色 |
JISの相関色温度範囲 | 3,250〜3,800K |
代表的な色温度 | 3,500K |
色温度の種類 | 白色 |
JISの相関色温度範囲 | 3,800〜4,500K |
代表的な色温度 | 4,200K |
色温度の種類 | 昼白色 |
JISの相関色温度範囲 | 4,600〜5,500K |
代表的な色温度 | 5,000K |
色温度の種類 | 昼光色 |
JISの相関色温度範囲 | 5,700〜7,100K |
代表的な色温度 | 6,500K |
例えば、メイクルームで間接照明を採用する際は、太陽光の下で印象が変わらないように昼白色の間接照明を選び、副交感神経を優位にしたい寝室などでは、あたたかみのある電球色の間接照明を選ぶことが多い傾向です。
また、カフェやオフィスラウンジ、ホテルロビー、リビングダイニングのような、作業とくつろぎの両方の機能を兼ね備えている空間では、照明の色温度を調整できる照明器具を選ぶことで、時間帯やシーンによって色温度の切り替えが可能になります。
なお、色温度に関する詳しい情報は「LED照明の導入時に知っておきたい基礎知識」で解説していますので、併せてご覧ください。
間接照明を採用する際の注意点とは?
間接照明を採用する際は、下記の点に注意する必要があります。
- 設置した光源が見えないように工夫する
- 光が広がるように考慮する
- 反射による光源の映り込みに気をつける
- 影が出るような造作物(仕上げ材や取付け物)の設置を避ける
具体的には、造作と器具の納まりはどうか、開口幅や取り付け位置は適正か、周囲の造作物は鏡面仕上げ・艶あり仕上げがされていないか、光を遮る原因となるダウンライトや空調機などは設置されていないか、照明同士が干渉していないかなど、あらゆる点に注意してプランニングをしていきます。また、自宅に設置する際は、家具や家電の位置にも配慮する必要があります。
なかでも、ホテルや商業施設、店舗、美術館、寺社など、照明の演出が重要となる空間では、特に細やかなプランニングを要します。そのため、建築士やインテリアコーディネーターだけでは対応できない可能性がありますので、照明プランナーを交えて進めていくと失敗が防げます。
間接照明でワンランク上の空間演出を
今回は、間接照明とはそもそも何か、基礎知識や採用する際のポイントについてご紹介しました。
間接照明は、空間をおしゃれに演出するだけでなく、高級感を向上させたり、空間に奥行きや広がりを持たせたりと、様々なメリットがあります。空間の規模・シーン・間取りに合った照明器具を選び、組み合わせることで、ワンランク上の空間を演出できるでしょう。
なお、弊社DNライティング株式会社が担当させていただいた間接照明の演出事例を、下記ページより検索していただけます。空間デザインや照明器具選びの参考に、ぜひご覧ください。
<事例|DNライティング株式会社>
多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
私たちDNライティングは、業務用照明の専門メーカーです。
現在、百貨店・総合スーパー・ブランドショップ・専門店などの商業施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、病院、学校、美術館、マンション、寺社仏閣にいたるまで幅広くこだわりの光(ヒカリ)を表現できる照明メーカーとしてご用命を頂いております。
- 様々な空間に対応する多彩な品揃え
- お客様のニーズを実現するカスタマイズ力
- 多品種と高品質を支える自社生産体制
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照明の役割がますます多様化し、その機能への期待が高まっている中、小空間から大空間まで様々なステージで対応できる豊富な商品を揃え、お客様のニーズにきめ細かく対応する照明専門メーカーを目指しております。ぜひお気軽にご相談ください。
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