匠弘堂Interview 第一章 宮大工の今

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宮大工 匠弘堂インタビュー 第一章『 宮大工の今』


横川 総一郎

匠弘堂代表取締役、設計、積算、営業他 現場以外の全てを担当。昭和39年京都生まれ。
大学では機械工学を専攻、家電メーカーを経て建築設計の業界へ飛び込む。
現場にて岡本棟梁らと出会い、感銘を受け、岡本棟梁に入門。
のちに3名で「匠弘堂」起業。松下幸之助氏の「志あればかならず開ける」が信条。
趣味は楽器演奏、ドライブ。辰年、O型。

匠弘堂Interview 第一章 宮大工の今

私たちが生まれるずっと前から存在する建物、日本の心に密接に結びついている神社仏閣。その建築を支える技術を今に受け継ぐ木造建築の匠が、宮大工です。その手仕事により、私たちは様々な日本の文化財に今も触れることができます。京都にある有限会社匠弘堂(しょうこうどう)は、伝統的な建築技法を守り、同時にウェブサイトやSNSを使いその素晴らしさを発信する、まさに過去と未来をつなげている会社。その代表である横川総一郎さんに、2回にわたり社寺建築と照明について伺いました。

第1回目の今回は宮大工の現状と同社の成り立ちについて解説します。


目次
1.社寺建築と宮大工の仕事
2.匠弘堂の成り立ち
3.これからの社寺建築の在り方
4.社寺建築と照明の関係に秘められた関係性

社寺建築と宮大工の仕事

中国大陸より伝来し、日本の風土に合わせて独自に発展してきた社寺建築は、地域の人々が大事に守り続けてきた神様や仏様への信仰心の証とも言える。時代とともに信仰心や宗教観が変化してきても、細部にわたる美しい彫刻や洗練された意匠が施されたその建築は、現代では日本の伝統文化そのものとして受け入れられている。

宮大工とは、時代を経て受け継がれた独自の技術を駆使し、歴史的な建造物を保存修理・再建し、何百年も保つ耐久性と地域の人々から愛される美しさを兼ね備えた建造物を提供する仕事。建築学はもとより日本における歴史や風土、また宗教観への幅広い知識を必要とする特殊な職業でもある。手がける建物に合わせた建築様式やなるべく釘を使わない継ぎ手仕口に代表された木組みなど、木材を最大限に生かした独自の技術は徒弟制度によって受け継がれ、その継承者は年々少なくなってきていると言われている。

これからも続いていく歴史の中で、こうした建築物が後世まで受け継がれるよう、堅牢で美しい建物を作る――これが宮大工の使命なのである。

匠弘堂
匠弘堂
匠弘堂
匠弘堂

匠弘堂の成り立ち

そんな宮大工の世界に、かつて「見えるところは当たり前、見えないところほど気配りを。それが建物を強固にし、100年、200年と美しさを保つ」という言葉を弟子たちに語っていた棟梁がいた。多くを語らず謙虚でありながら魂のこもった仕事をひたむきにこなし、仕事に厳しく、己に厳しく、しかし誰にでも平等に丁寧にその仕事を教えていたその棟梁が、この仕事を15 歳から修得してきた岡本弘(敬称略)である。

その人間性に触れた人々は皆その心意気に魅了されたが、そのうちの一人が、現在匠弘堂の代表取締役を務める横川総一郎氏である。1996年、寺院新築現場で宮大工の岡本棟梁に出会った横川氏はすぐにその人柄に惚れ込み、その後紆余曲折を経て2001 年に岡本棟梁の一番弟子である有馬茂氏とともに、京都で匠弘堂を立ち上げた。

現在では10名の若者を宮大工として育てながら、各地の神社仏閣を支え続けている。

2018 年には京都市下京区の圓徳寺本堂・書院修復工事、2017年には京都府亀岡市の與能神社本殿 修復工事、知恩院塔頭 常称院庫裡改修工事、2016年には東京都港区の青松寺納経塔 新築工事、沖縄県首里城復元工事にも設立以来さまざまな神社仏閣や城郭建築の工事を手がけている。

岡本棟梁の教えを守り、見えない部分の仕事を大切に実践し続けるのが匠弘堂の姿勢である。

匠弘堂
匠弘堂

これからの社寺建築の在り方

匠弘堂の宮大工は20〜30代が中心。この卓越した技術を後世に継承することを考え、全員を正社員として迎え育てている。今だけではなく、100年、200年先を見据えた仕事において、技術の継承と同時に人材が何よりも大切だと考えるからだ。

伝統建築の素晴らしさ、宮大工の仕事をより多くの人々に知ってもらいたい、という気持ちから2019年にはDESIGN WEEK KYOTOが主催するイベントのオープンファクトリーで工房を一般開放し、ワークショップなど様々なプログラムを提供、2020年も引き続き参戦する。また社会的な視線が持続可能な社会に注がれる昨今、これに貢献する同社の姿勢が評価され、京都市の「これからの1000年を紡ぐ企業認定」第4 回認定企業に選ばれた。

「誇りと責任を持ち高い品質を保ち続ける『品質力』」、「宮大工は公人であるという自覚のもと、人と物に感謝し人間としての成長を続けていく『人間力』」、「伝統技術に創意工夫を加え、高い技術力を研鑽し続ける『技術力』」という目標が掲げられている。どんな仕事にも共通する倫理的な姿勢が、この匠弘堂において脈々と受け継がれ、そして続いている。

 

匠弘堂
匠弘堂

社寺建築と照明の関係に秘められた可能性

以上のように堅実な仕事が評価されている匠弘堂が、DNLの製品と出会った。これまで最先端のライトとは接点のなかった社寺建築の世界が、DNLの企画「寺ライト」によって大きな可能性をもって広がったのだ。

SNS を使った情報発信やプロジェクターを使って修復工事の内容を檀家さんにプレゼンテーションするなど、関わる人々全てからの信頼を得るために新しい技術を柔軟に取り入れる姿勢を持った匠弘堂は、いち早くDNL製品の魅力に反応した。ほとんど紫外線を出さないLED 照明は文化財の劣化に影響が少ない上、コンパクトでフレキシブルなDNLのライトは複雑な形状の仏像や社寺建築の彫刻などを狙い通りに照らすことが可能である。

これまで信仰上の理由は別として、劣化の問題から人目に触れることができなかった様々な文化財が、まさにスポットライトを浴びて人々の目に触れる時代が訪れるかもしれない――そうした可能性に気づいた横川社長の言葉を、次回さらに詳しくお伝えする。



(取材・やすあきを、文・西澤美帆)

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