アパレルショップやブランドのファンを増やす照明選びのポイントとは
アパレルショップの店舗設計では、お店に入りたくなったり、商品を手に取りたくなったりするような照明を設置することが大切です。
ただし、ショップで扱っているブランドや店舗自体のコンセプトによって、どういった照明を設置すべきか変わってきます。
今回は、アパレルショップやブランドのファンを増やすために知っておきたい照明選びのポイントを見ていきましょう。
目次
1.ブランドイメージに合わせて照明の色温度を決める
2.照度を操作することも重要
3.トレンドアイテムの魅力を引き出す調光機能の使い方
4.高級感を演出したい場合は間接照明の利用もおすすめ
5.LED照明の強みを生かした商品演出をすることも大切
6.まとめ
1.ブランドイメージに合わせて照明の色温度を決める
アパレルショップの照明を選ぶ場合、ショップやメインで扱っているブランドイメージと相性の良い色温度を見つけるのがおすすめです。
たとえば、電球色の照明は温かみや高級感を演出できるため、フォーマルなアイテムや部屋着との組み合わせで活躍します。一方、子供服から大人用の服まで扱うブランドやアウトドアブランドなら、太陽光を意識した昼白色がおすすめです。特徴的な色使いのアイテムが多いブランドだと、昼白色で色味自体を引き立てるといった方法が使えます。店舗全体のイメージ・ブランド・客層を考えて、店舗照明の色温度を選択しましょう。なお、上記の印象を利用すれば、イチオシのアイテムをより魅力的に見せるディスプレイも作れます。
2.照度を操作することも重要
アパレルショップの照明計画では、照度、つまり明かりの強さも大切です。同じ色温度の照明を同じ場所に設置しても、照明を明るくしたり暗くしたりするだけでショップの印象は大きく変わります。店内を全体的に白く明るくするとカジュアルで若々しいイメージに、間接照明などを使って暖色系の照明でまとめれば高級感や特別感を出せるので、店舗のコンセプトに合わせるのがおすすめです。
基本的には、若者向け・家族向けブランドの取り扱いが多い場合は店舗全体を明るく照らし、大人向けのシックなブランドが多い場合は、照度を下げて落ち着いた雰囲気にすると良いでしょう。
ジェイアール名古屋タカシマヤ
ペンダント照明
PFSH
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施主 株式会社 ジェイアール東海髙島屋
所在地 愛知県名古屋市
設計 髙島屋スペースクリエイツ 株式会社
撮影 スタジオマップ 前田誠士
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3.トレンドアイテムの魅力を引き出す調光機能の使い方
ファッション業界では、毎年シーズントレンドが変わっていきます。ただ、新しいトレンドアイテムを店頭に並べる際、店舗の照明色や明るさが固定されていると、おすすめアイテムの色や形状を引き立てることができません。
多くの場合、人間は暗い場所よりも明るい場所に注目しやすく、明るい方へ足を運ぶ傾向があります。そのため、ショップの前面など目立つ場所に置くディスプレイは、十分な明るさの照明で照らしましょう。
おすすめは、調光機能付きのLED照明です。施工後に明る過ぎたり、全体の明るさを調節する時にとても役に立ちます。
また、直進性の高いLED照明は、商品をスポットで強く照らしたい場合に便利です。特に、レールタイプの照明は光を当てる角度や位置を変えられるため、メインで扱うブランドが変わったり、おすすめアイテムのサイズが大幅に変わったりしてもより良いライティングに調整できます。
4.高級感を演出したい場合は間接照明の利用もおすすめ
ハイブランドの商品を主力として扱っていたり、モノトーンのアイテムが多いブランドを取り揃えていたりする場合、間接照明を利用するのがおすすめです。
高級レストランやホテルなどでも採用されている間接照明は、全体を柔らかく照らすためガラスなどへの反射が起こりづらくなります。また、グレアのない間接光は落ち着いた雰囲気を演出しやすいといった特徴を持っています。
デザイン性の高いハイブランドの商品や、シルエットの美しさが重要になっているモノトーンのアイテムは、均一な照明で照らすと陰影や輪郭が出ないのでせっかくの強みが目立ちません。
しかし、シルエットが際立つうえに商品に視線を集められる間接照明を活用すれば、商品を目立たせられます。
また、間接照明で店舗奥側の壁を明るく照らせば、空間の奥が明るいと奥へ進みたくなる「サバンナ効果」を期待できるのもポイントです。
ただ、サバンナ効果を考えて奥の壁面を照らす場合、手前のディスプレイが目立たなくなってしまいます。スポットライトで手前を明るくするといった工夫を取り入れて、集客とディスプレイを両立するのがおすすめです。
西武渋谷店B館5階紳士服フロア
LEDモジュール
MC-LED4 D
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施主 株式会社そごう・西武
所在地 東京都渋谷区
設計 永山祐子建築設計 永山祐子 大澤さほり
撮影 金子俊男
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5.LED照明の強みを生かした商品演出をすることも大切
LED照明の中でも、点光源とよばれるタイプの商品を使うと、セーターなどの細かい陰影や質感を強調できます。通常の照明だと光の照射範囲が広く、商品の裏や横に回り込んだ光で輪郭がぼやけてしまうため、商品に合わせて光源の種類にこだわることも重要です。
また、LED照明は発熱量が少なく、フレキシブルなモジュールも存在するため、棚下照明等としても活用できます。
6.まとめ
アパレルショップでは、商品の見せ方が売上に直結するため、扱っているブランドや主な客層に合わせてより良い照明を選びしょう。
店舗照明の見直しは、商品の魅力を引き立てるだけでなく集客にもつながってきます。店舗に合う照明の使い方や、照明を利用した心理的効果の活用法について興味がある場合は、照明設計のプロに相談しましょう。
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