照明が眩しいと感じるのはなぜ?理由と間接照明による眩しさ対策について
グレア(glare)とは、不快感や物の見えづらさを生じさせるような「まぶしさ」のことを言います。照明が眩しいと感じると、視覚快適性を低下させ、部屋や環境全体が不快に感じられる可能性があります。
照明計画のグレア(不快な眩しさ)対策は、快適な光環境をつくる上で非常に重要です。
そこで今回は、照明が眩しいときの対処法をあげながら、眩しさを抑えつつ適正照度を確保する弊社商品やその配灯手法をご紹介します。
目次
1.照明が眩しいと感じる理由とは
2.照明が眩しいときの対処法
3.照明が眩しいときにおすすめ|間接照明の事例
4.照明が眩しい!対策をしたいならこの製品
4.照明が眩しい!対策をしたいならこの製品
5.照明が眩しいときは間接照明が有効
6.多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
照明が眩しいと感じる理由とは
まず、照明が眩しいと感じる理由についてご説明します。この理由には大きく2つあると考えられます。
まず一つには、私たちの目は、眼球内の網膜で光を受け取り、脳に信号として伝えます。
よって、光源から照射される光の単位立体角あたりの光束量(lm/sr)が大きい場合※(挟角で強い光の場合)、より強い光を受容するということになります。
二つ目は、照明器具などからの直接光や反射光(間接光)が、人間の目の視線の方向や光の角度、光源とその周辺の対比などのさまざまな要因と関連し、光を強く受容してしまうためです。
環境工学において、この単位立体角あたりの光束量を光度(lm/sr又はcd(カンデラ))と称し、ある立体角での光の強さ(光束の密度)を表します。この光度が大きいほど、光を眩しく感じやすいということになります。
眩しさ(グレア)を生じる要素として、主たる光源自体の輝度、光源と背景の輝度差、光源と視線の近さ、視野中に占める光源の立体角がある。
以下はグレアの程度が大きくなる場合の例です。
1.背景と光源の輝度の対比が大きいほどグレアの程度が大きくなる。暗い部屋に小さな点光源を置いた場合。
2.光源自体の輝度が高いほうがグレアの程度が大きくなる。
3.光源が視線に近いほどグレアの程度が大きくなり、光源の方向を注視した場合、大きな不快感を生じる。
例えば、同じ明るさの裸電球(全方向に光束を照射する)と懐中電灯(ある挟角で光束を照射する)を比較すると、恐らく懐中電灯の光の方が眩しいと言うイメージがあると考えられますが、それがこの理由に該当するものです。
また、暗いトンネルの中を長時間運転していて、急に明るい外に出た場合、視野に極端に明るい太陽光が入ってくることと明暗のコントラストが大きいことから、一瞬視界がホワイトアウトして、ものが見えなくなったりすることがあります。
こちらは時間が経過すると明るさに順応しますが、眩しいと感じる事例の一つです。
照明が眩しいときの対処法
では、照明が眩しいときの対処法(直接に光源が目に入らない照明方法)にはどのようなものがあるのでしょうか。
カバーを付ける
LEDライン照明ではLEDの光源(小さな粒)を等間隔に並べて配置されています。LEDの光源は発光面の面積がとても小さく、指向性が強く、光源が露出した照明器具はとても眩しく感じます。
簡単な眩しさへの対処法として、LED光源をカバーで隠すことになります。そもそも、電球や蛍光灯のような光を再現する為に乳白の樹脂製カバーで光源を覆い、光を拡散させてグレアを低減するように作られていますが、製品によっては明るさを出すために透明なカバーを使用する製品もあります。
その場合は、直接目に入ると大きなグレアを感じますので、乳白の樹脂製カバーのある製品を使用する又は造作で直接見えないように遮蔽する工夫が必要です。また、乳白カバーから照射される光を天井面に反射させることで、間接照明のような効果をもたらし、光をやさしく空間に照射することもできます。
その他、電球型のペンダント照明には容易に着脱できるシェードカバーがおすすめです。こちらも乳白や半透明の樹脂製などいろんな素材や大きさで作ることができ、光源を拡散させたり反射させたりする効果があります。
専用のルーバーを取り付ける
蛍光灯では天井に設置されている直管型照明(山型1灯用、2灯用など)やベースライトに使われていることが多いのですが、鋼製や樹脂製の格子型のルーバーを器具に合わせて設置することで、光源からの直接光をカットし、グレアを防止する効果があります。
このルーバーには、照明器具を見上げた時、光源が目に入らなくなる限界線と器具の水平線の角度である遮光角が15〜30度に設定されているものが多く、これによって眩しさを軽減することが可能です。
現在のLED照明器具では器具にルーバーが付いたタイプのものや、乳白カバーの構造や拡散フイルムを使用して、光の照射方向や光りの強さを制御している器具もあります。
タスク照明にする
特に寝室やリビングで設置しているシーリング照明などが眩しすぎる場合ですが、天井に照明を設置するのではなく、フロアランプやテーブルランプなどのタスク照明(手元照明)に切り替えて使用することも容易な対策としてあげられます。既存照明の減光対策(天井が高く、カバーの設置や取り換えなど)が困難な場合に有効な方法です。
また、ベッドのヘッドボードの後ろにライン照明をアッパー方向に壁や天井面を照射させる方法や、低い位置でのフットライトが有効です。
調光機能を使う<
LEDのシーリングタイプやライン照明器具は調光できるタイプが多くあります。調光機能を付加できるタイプを選ぶことで、好みにより明るさを変えることができます。
特に夜間のリビングや寝室、ミラー廻りの照明は調光機能があるとグレアを感じた場合に調整することができるので便利です。
照明が眩しいときにおすすめ|間接照明の事例
次に照明が眩しい場合、間接照明を採用することで、空間に必要な照度を確保しながら、直接光による不快感を低減する方法をご紹介します。
直接光源の見えない間接照明を採用し、眩しさを抑えた空間づくりの事例となっていますので、ぜひ参考にご覧ください。
落ち着いた温かい空間
こちらは、間人温泉 炭平旅館(さゞ波)での事例です。
宿泊室のヘッドボードや天井には間接照明が使用されていて、眩しさを抑えながら空間に明るさをもたらし、温かみを演出しています。
また、屋外に広がる海をストレスなく眺望できるように、室内照明(間接照明)が目に入り込んでこないような配慮をしています。
明るく清潔感がある空間
次に、イーク有楽町の事例をご紹介します。
イーク有楽町は、女性のための総合ヘルスクリニックで、施設の性質上、個性的なイメージを排除して、空間にニュートラルで健全なイメージが求められていました。
よって、ダウンライトなどの最小の器具で十分な光量を確保し、壁反射による間接照明をベースとして、明るくかつ穏やかな空間を演出しました。
建築物の美しさを強調し、木の温かみを伝える空間
最後に、金沢工業大学・国際高等専門学校 白山麓キャンパスの事例をご紹介します。
連なる急勾配の屋根形状が大きな特徴のこちらの事例。勾配屋根の登り梁を間接照明で照射することで、曲線を描く建築空間の美しさを抽象的に浮かび上がらせています。また、木の梁に光を照射させることで、木の温かさを引き出しています。
照明が眩しい!対策をしたいならこの製品
最後に、照明が眩しく、防眩対策をしたい場合の弊社おすすめの製品をご紹介します。
まずは洗面台のミラー廻りや空間の意匠照明として、ラインの照明BOXが作れるアイテムです。埋め込み使用やペンダントライトとして、空間や使用用途に合わせたおしゃれな照明が可能です。
長さ自在、端まで光る照明カバー/プロファイルシステム
製品名 | プロファイルシステム PFS |
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特徴 | フレキシブルLEDモジュールFX50-LEDのハウジングユニット 最長5mまでのドットレスなライン照明を実現 幅18mm×高20mmのコンパクトボティ 埋め込み取り付け可能 切断可能 JCD PRODUCT OF THE YEAR 2019 グランプリ受賞 電源別置/LED別途 |
製品名 | プロファイルシステム PFSH |
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特徴 | フレキシブルLEDモジュールFX50-LEDのハウジングユニット 継ぎ目なく角や端部まで光る 最長10mまでのドットレスなライン照明を実現 幅18mm×高40mmのスリムなボティ 専用吊具で吊り下げ仕様も可能 埋め込み取り付け可能 切断可能 JCD PRODUCT OF THE YEAR 2019 グランプリ受賞 電源別置/LED別途 |
製品名 | プロファイルシステム PFM |
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特徴 | フレキシブルLEDモジュールFXH-LED、FX50-LEDのハウジングユニット 継ぎ目なく角や端部まで光る 簡単にコーナーが製作可能 最長10mまでのドットレスなライン照明を実現 専用吊具で吊り下げ仕様も可能 幅35mm×高40mm 埋め込み取り付け可能 切断可能 電源別置/LED別途 |
側面が発光しない美しいフラットな光を照射するTIE-APL
製品名 | ライン照明 TIE-APL |
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特徴 | TRIM LINE LED照明器具(トリムライン) 一面発光(Ichi-Men Series) 調光兼用型 2000lmクラス LEDモジュール交換型 埋め込み取り付け可能 電源内蔵 |
次は、TIE-APLをご紹介します。こちらは、側面が発光しない一面発光の照明器具です。
壁や天井を間接照明として照射する場合、ランプ側面からの光が目に入らないため、人の目にストレスを与えず、壁や天井仕上げをフラットに照射するため美しい空間を演出することができます。
また、ランプの光束量も2180lm,(L=1253mmの場合)と十分に明るく、美しさを演出しながら空間に適切な照度が確保できます。
LEDモジュールの取り外しもワンタッチでできるため、ランプの交換・点検などの保守作業も手間が掛からず容易に行えます。
シームレスな美しい光のラインをつくるTIM-FPL
製品名 | ライン照明 TIM-FPL |
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特徴 | TRIM LINE LED照明器具(トリムライン) 一面発光(Ichi-Men Series) 調光兼用型 3000lmクラス LEDモジュール交換型 埋め込み取り付け可能 |
こちらも側面が発光しない一面発光タイプの照明器具です。
こちらの製品はTIE-APLと同様の製品特性を有しながら、光源はW44mmとTIE-APLの25mmと比較しても幅広く、より明るく照射することが可能となりました。
また、最長25灯まで連結が可能であるため、長いシームレスなライン照明とすることができます。
ランプの光束量も3100m(L=1503mmの場合)と十分に明るく、美しさを演出しながら空間に適切な照度が確保できます。
TIE-APL同様にLEDモジュールの取り外しもワンタッチでできるため、ランプの交換・点検などの保守作業も手間が掛からず容易に行えます。
照明が眩しいときは間接照明が有効
今回は、照明の眩しさを抑える手法や間接照明を事例とした配灯方法についてご紹介しました。
空間に必要な照度を確保しながら、照明器具による眩しさを軽減するためには、既存器具へのカバー設置などの対応もありますが、落ち着きや温かみなどの+αの空間演出をする間接照明がおすすめです。
眩しさを抑えながら、美しい空間をつくる「光」が大切な空間では、専門の設計事務所に依頼し、照明メーカーや照明プランナーを交えて照明選びを進めていくのが一般的です。
弊社DNライティングでは、「色温度・配光・明るさ」と「設置位置・角度」をシミュレーションしていただける体感型施設を東京と大阪の2箇所に設けており、内装材のサンプルをお持ちいただけると現場に近い環境も再現可能です。
「照明にこだわった施設を目指したい」「照明選びで失敗したくない」という方はぜひお立ち寄りください。
多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
現在、百貨店・総合スーパー・ブランドショップ・専門店などの商業施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、病院、学校、美術館、マンション、寺社仏閣にいたるまで幅広くこだわりの光(ヒカリ)を表現できる照明メーカーとしてご用命を頂いております。
- 様々な空間に対応する多彩な品揃え
- お客様のニーズを実現するカスタマイズ力
- 多品種と高品質を支える自社生産体制
- 照明その他電気工事の請負・設計監理
照明の役割がますます多様化し、その機能への期待が高まっている中、小空間から大空間まで様々なステージで対応できる豊富な商品を揃え、お客様のニーズにきめ細かく対応する照明専門メーカーを目指しております。ぜひお気軽にご相談ください。
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