廊下を埋め込み照明で魅せる|長い廊下にもおすすめの商品
廊下の照明は、施設の設計コンセプトや用途によって選び方が大きく変わります。
一般的な施設の廊下の照明はコストを抑えながら必要照度を確保するため、汎用的な丸形のダウンライトや山形のLED蛍光灯を配灯しますが、雰囲気づくりや洗練さに欠ける場合もあります。
そこで、今回おすすめしたいのが、廊下を埋め込み照明でスタイリッシュに魅せる手法です。
今回は、埋め込み照明を用いることによって、建物全体の機能性や意匠性を高める廊下にする方法についてお伝えし、廊下におすすめの照明製品をご紹介します。
目次
廊下を埋め込み照明でおしゃれに
廊下は建築内の機能と機能をつなぐ重要な空間であり、照明や素材によって大きく印象が変わります。
一般的な建築計画の中で、廊下の照明はどうしてもコストが追いやられて汎用的な照明器具を取り付けがちですが、建築計画のコンセプトを廊下にも踏襲することで、空間の質が格段に向上します。
特に、オフィスや病院、店舗などの廊下は長いものが多く、長くなるにつれて照明器具に関する材工は高くなってしまいます。
そのため、設計や施工において汎用的な機器や工法を選定しがちですが、埋め込み照明の種類や意匠設計と関連させた天井や壁の造作により、コストを抑えながら美しく見せる空間にすることは可能です。
廊下に必要な照明とは
まずは、廊下に必要な照明の基礎知識として、適切な明るさと色温度についてご紹介します。
廊下に適切な照度
JIS規格においては、施設によって必要な廊下の照度が異なります。
以下に、施設別の廊下の照度を示します。
(照度とは1㎡あたりの光束の量:値が大きい方が明るく一般的な住宅のリビング照度は150~300lxが目安)
施設 | 推奨照度(ルクス/lx) |
---|---|
住宅 | 30~75 |
事務所・一般建築物 物品販売店・レストラン・ 美術館・宿泊施設 |
100 |
保険医療施設(昼間) | 200 |
上の表から、施設に公共性を帯びるほど不特定多数の人の利用が多くなり、共用部である廊下の必要照度が高くなることがわかります。
また、建物規模が大きくなるほど廊下が長くなり、照明の数と配置が重要となってきます。施設利用者・管理者の動線の安全性を確保するためには、適切な明るさに設計する必要があります。
廊下に適した色温度
廊下に適した色温度は、その施設の用途や設計コンセプトによって異なります。
例えば、病院では、廊下の色温度が比較的高い照明器具(5000K)が選定されることが多くあります。その理由としては、病院は第一に「清潔さ」が求められる施設特性があり、廊下は患者や職員が毎日通る動線でもあるため、視覚的な清浄度が求められるからです。
一方で、老人介護福祉施設などの廊下の色温度は比較的低い照明器具(2700K〜3500K)が選定される傾向があります。その理由は、施設利用者が高齢であるため、「落ち着き」「温かみ」が求められる施設特性があるからです。
廊下は、居室と居室をつなぐ重要な動線空間です。廊下の色温度と居室の色温度が異なると空間に連続性がなくなることや、入退室の際に視覚的な不快感を引き起こす可能性があるため、施設全体の色温度は特殊な部屋で無い限りは統一するよう計画したいものです。
埼玉石心会病院(撮影:荒木文雄)廊下の照明の選び方
では、廊下の照明の選び方はどのようにすればよいのでしょうか。
照明の選定の際は、施設のコンセプトや用途を踏まえて、意匠計画と照明計画が調和するように検討する必要があります。
設計者が「シンプルに爽やかに魅せる」ことを目的にした空間であれば、室内や廊下の照明はそれに合わせて色温度を高く設定し、照明の種類は、空間より主張しないように形が現れないダウンライトやシンプルな形のシーリングを選定する方が望ましいでしょう。
つまり、平面計画だけを見て明るさを確保するために照明器具の個数や種類を選定するのではなく、施設の使い方や空間の質を設計者や施設利用者と共有しながら選定する必要があります。
また、廊下の仕上げを踏まえて照明器具を選定することも必要です。
例えば、廊下の床が白調の反射率が高いタイルであり、壁や天井も白調の明度が高い塗材で合った場合、照度が高い照明器具を選定してしまうと白調の内装から光が反射し、より明るく見えて眩しい廊下になってしまいます。
そのため、コストや好みから照明器具を選定するのではなく、施設のコンセプトや用途、廊下の仕上がりなどの多角的な条件を踏まえて、できる限り雰囲気に調和する器具を選定する必要があります。
廊下に埋め込み照明を使う際の選び方
廊下に採用する一般的な照明器具には、ダウンライトや山形のLED蛍光灯、ペンダントライトやシーリングライトなどがありますが、天井に埋め込む照明としてダウンライトやLED蛍光灯などを用いれば、空間に照明器具が出てこない分、すっきりとした天井納まりとなりシンプルな見せ方ができます。
また、改修案件などでもともとの天井があまり高くない場合にも埋め込み照明であれば採用しやすいため、建物の意匠性を保ちながら配灯計画ができる照明器具でもあります。
基本的に廊下の天井に埋め込み照明を採用する場合は、経済性や施工性を踏まえてダウンライトが主流でした。
しかし近年、意匠性に優れた軽量型・薄型のライン照明がさまざまなメーカーで販売され注目されています。
廊下の天井は、一般的にはLGSと呼ばれる軽量の鋼製下地材(野縁)でつくられ、仕上げ材として石膏ボードなどが施工されています。
ダウンライトを廊下の天井に施工する場合は、この天井下地材をかわしながら施工する(格子状の下地材の間に施工)するのが一般的であり、施工負担が少ないことと照度が確保できることから採用されていました。
しかし、軽量型・薄型のライン照明は大きな天井の切り欠きや補強を必要とすることなく、天井の石膏ボードの隙間に設置できるため、施工性・デザイン性ともに優れた照明器具として多くの設計者や施工者に好まれるようになりました。
特に、弊社DNLの天井埋め込み型のライン照明においては、細方LEDモジュール(XC-LED2,MU-LED)やプロファイル(PFSH)を採用することで、天井と壁面に対して、直線ラインだけではなく、L字(入隅)にも光源が配灯でき、多様な空間デザインが可能です。
また、細型LEDモジュールは断面が小さく、粒感の無い綺麗な発光面で長さも豊富であるため、小さい造作で間接照明が可能であり、現場での施工負担を軽減することができるためおすすめです。
木下の保育園 めぐみ町(撮影:GEN INOUE)廊下を埋め込み照明でおしゃれにするコツ
廊下を埋め込み照明でおしゃれに魅せる方法としては、照明単体の配灯ではなく、建築工事と併せて光源が直接見えず、光束が壁や天井を照射するように壁や天井納まりを検討することがポイントです。
具体的には、単にダウンライトを等間隔に配置していくのではなく、天井の片面でのコーブ照明(アーチ型の天井の間接照明)や壁を照らすコーニス照明を採用することで、天井と壁の境目をぼやかすことで空間に解放感をもたらすことができます。
また、長い廊下の場合は、通路に沿って天井にライン照明を埋め込むことで、動線を照明で導く方向性をつくり、非日常性を演出することができます。
しかし、これらの天井や壁の造作工事に関わる照明計画は、光源を見せない寸法や納まり、素材、メンテナンス方法などを意匠設計者と協働しながら設計していく必要があります。
廊下におすすめの埋め込み可能な照明製品
最後に、廊下の埋め込み照明におすすめしたいDNライティングの照明製品をご紹介します。
廊下におすすめの照明①:PFSH
製品名 | プロファイルシステム PFSH |
---|---|
特徴 |
|
PFSHは、フレキシブルLEDモジュールFX50-LEDのハウジングユニットです。直線だけで なく、角や端部まできれいに輝き、廊下の天井や壁などのコーナー部を光らせて、光のアーチのように廊下の直線(方向性)を強調させて見せたい場合はおすすめです。
また、当製品の細型LEDモジュールは断面が小さく、粒感の無い綺麗な発光面で長さも豊富ですので、小さい造作で間接照明が可能です。
廊下におすすめの照明②:XC-LED2
製品名 | LEDモジュール XC-LED2 |
---|---|
特徴 |
|
XC-LED2は、幅8mm、高さ10mmの極限までコンパクトさを追求したライン照明です。 エンドキャップの改良によりモジュールの連結時に発光面の光の途切れを改善して、光の連続性がより美しく見せる製品です。廊下の長さや動線の方向軸を強調させて見せたい場合におすすめです。最長1975mmの長尺があるのも特徴です。
廊下におすすめの照明③:MU-LED
製品名 | LEDモジュール MU-LED |
---|---|
特徴 |
|
MU-LEDは、前記したXC-LED2より、更にコンパクトな幅5mmの製品です。 照度はおよそ半分ですが、極細なライン光は直接見せても綺麗でおしゃれな空間演出が可能です。最長1494mmを2本使用すれば、3mのライン照明が可能です。
商品を連結させた場合、機器の継ぎ目がシームレスであり、光ムラがないのが特徴です。 また、ハウジングの見つけも薄く、上品なライン照明として人気があります。
廊下におすすめの照明④:TRE2
製品名 | 建築化照明 TRE2-APD |
---|---|
特徴 |
|
こちらの製品は電源が器具に内蔵されているので、100V電源を直接つないで使用できます。
見せても綺麗な器具意匠と光にこだわった形状です。断面サイズも幅22mm、高さ54mmとコンパクトながら高照度タイプなので、明るさが必要な廊下にも使用でき、調光も可能です。
連結使用の為のコネクターが器具に内蔵しているので施工が簡単で、最大10灯までの連結で15mのライン照明が作れ、長い廊下にも使用できます。 また、LED光源部は交換可能です。埋め込み使用には器具の両側に放熱の為の空間が必要です。また、調光・調色タイプもあります。
廊下におすすめの照明⑤:SFL D
製品名 | 建築化照明 SFL D |
---|---|
特徴 |
|
SFL Dも電源が器具に内蔵しているので、100V電源を直接つないで使用できます。 また、断面サイズは幅18mm、高さ25mmとコンパクト、非調光ですが、程よい明るさで天井のコーブ・コーニスの間接照明としても使用できます。
連結使用の為のコネクターが器具に内蔵しているので施工が簡単で、最大10灯までの連結で15mのライン照明が作れ、長い廊下にも使用できます。埋め込み使用には器具の両側に放熱の為の空間が必要です。
廊下の埋め込み照明はDNLにお任せを
今回は、廊下に適した照明の選び方についてご紹介しました。
廊下の埋め込み照明の選定にあたっては、施設のコンセプトや使われ方により、各諸室の配灯計画と併せて照度や色温度、光源の見せ方を検討する必要があります。
特に廊下の照明は、その施設を利用する人の動線を導くものであり、明快さも求められると同時に、不特定多数の人が訪れる店舗やオフィスにおいては意匠性も必要となります。
よって、廊下のような機能性と意匠性を兼ね揃えた「光」が大切な空間では、専門の設計事務所に依頼し、照明メーカーや照明プランナーを交えて照明選びを進めていくのが一般的です。
弊社DNライティングでは、「色温度・配光・明るさ」と「設置位置・角度」をシミュレーションしていただける体感型施設を東京と大阪の2箇所に設けており、内装材のサンプルをお持ちいただけると現場に近い環境も再現可能です。
「照明にこだわった施設を目指したい」「照明選びで失敗したくない」という方はぜひお立ち寄りください。
>>体感型施設『照明実験空間 TOKYO / OSAKA』の詳細・ご予約多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
現在、百貨店・総合スーパー・ブランドショップ・専門店などの商業施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、病院、学校、美術館、マンション、寺社仏閣にいたるまで幅広くこだわりの光(ヒカリ)を表現できる照明メーカーとしてご用命を頂いております。
- 様々な空間に対応する多彩な品揃え
- お客様のニーズを実現するカスタマイズ力
- 多品種と高品質を支える自社生産体制
- 照明その他電気工事の請負・設計監理
照明の役割がますます多様化し、その機能への期待が高まっている中、小空間から大空間まで様々なステージで対応できる豊富な商品を揃え、お客様のニーズにきめ細かく対応する照明専門メーカーを目指しております。ぜひお気軽にご相談ください。
【お問い合わせ・ご相談】
お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。