街を演出する、屋外・軒下用照明

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街を演出する、屋外・軒下用照明

目次

1.屋外軒下照明とは?
2.屋外照明の役割とは?
3.屋外照明の存在意義について教えてください
4.屋外照明のデメリットはどういったところにありますか?
5.機能・性能について、どのような基準で作っているのですか?
6.重耐塩や耐候性など、その他耐久性で気をつけるところは何ですか?
7.これからの屋外照明はどうなっていくのでしょうか?

 

 

1. 屋外軒下照明とは?

「明かりによって生活を豊かにする変化を起こしたい」という私たちの目標は「組み込み照明」のコラムでお伝えしましたが、これは部屋の中だけにとどまるものではありません。部屋の中の雰囲気を作るように、街の雰囲気はそこに建っている建物の照明で形作られると言っても過言ではないでしょう。夜間の都市部などを思い浮かべていただければ容易に想像できると思いますが、照明は屋外でも様々な役割を果たしています。今回は街づくりの一端を担う屋外照明、軒下照明について、DN ライティング営業本部の片山誠さんと技術部の小原陽介さんに伺いました。

2. 屋外照明の役割とは?

営業本部 片山誠氏

電気のない江戸時代から、屋外照明は存在しています。人の歩く道、つまり動線を照らし出す「環境照明」としての役割がその主なものでした。しかし江戸時代は街路灯がなかったので、道行く商人は提灯を持って自分で動線を照らしていました。それが明治に入りガス灯になり、自ら作り出していた灯りが公共事業の一環になっていきます。それに伴って、徐々に街を照明で演出するようになっていきました。
昭和の初めから街灯が当たり前になり、これまで夜間あまり外出していなかった人々が街へ繰り出すようになっていくわけですが、そうすると飲食店をはじめいろいろな商店で、人を呼ぶために照明で店舗を照らすようになります。道を歩くために必要な「環境照明」以外に、人を楽しませる側面、明かりによって人の気持ちを動かす役割をもった照明が必要とされるようになりました。それを「演出照明」と呼びます。

3. 屋外照明の存在意義について教えてください

私たち DN ライティングの数ある製品の中で、屋外で使用するライン系の器具や間接照明はまず「動線を作る」という重要な役割をもっています。近年ではビルの中の照明も屋外照明として間接的に機能しています。商業施設の照明であれば夜間「どう集客できるか」ということが課題となってきます。
また、車の中や駅など、遠くから見て自分のマンションを識別できる、ということが住んでいる人のステイタスとなり、サインとして機能することもあります。周りのビルとの差別化を図るために個性を出していきますから、ライティングによって建物が街のシンボルになりうる、というのも近年の屋外照明の役割の一つです。
新築マンションのパンフレットを見たときに、クラウン照明やアプローチの植栽の照明が決め手となり購入を決断する方もいらっしゃいます。遠くから見て「あれがうちのマンションだ」とわかるとやはりうれしいものですし、建物がアイコンとしても機能するというのは色々な意味で重要だと思います。
それから屋内から屋外に切り替わっていく部分、インからアウトのつなぎ目を違和感なく作っていくのが我々の照明の力になると思います。当社の場合は色へのこだわりに自信がありますので、様々な製品を使い分けて、屋外と屋内を自然につないでいける、そうした製品をもっている、というのがメリットだと思います。

屋外・軒下用照明

左:クラウン照明

屋外・軒下用照明

右:フットライト

4. 屋外照明のデメリットはどういったところにありますか?

技術部 小原陽介氏

端的に言えば、デメリットは値段ということになります。特に屋外の場合は製品の信頼性が高くないといけないので、目的と予算を合致させることが難しいケースも出てきます。
サインの場合はどちらかというとスペックより値段が優先なので、安価な製品を使う場合が多く、予算のある案件でないと当社の製品を導入していただけないこともあります。なぜ値段が上がるか、というと屋外に設置する照明は屋内に比べ、その性能を担保しなくてはいけないからです。つまりスペックに対するハードルが高いことと、屋外専用の材料で構成するため、一般的には屋内より難易度が高いわけです。耐久性が必要ですからそこを強化すると値段も上がります。材料から何から、すべての環境が屋内とは全く違いますから、当然ですが製造原価は高くなります。これは演出照明でも動線照明でも同じです。

5. 機能・性能について、どのような基準で作っているのですか?

「軒下」と「屋外」の違いを簡単に表すと、直接太陽光や雨が当たらないところに設置するものが「軒下灯」、雨や太陽光が直接当たる場所に設置できるものが「屋外灯」ということになります。一般的には街路灯、投光器やスタジアム照明などが屋外照明の代表です。

防塵・防水・塩害

屋外照明の機能としては防水と防塵、これが基本の軸になります。IEC(国際電気標準会議)規格、日本ではIEC規格に準拠したJIS(日本工業規格)で電気機器内への異物及び水の侵入に対する保護の等級を定めています。防塵等級 0 ~ 6 などと表されますが、数字が大きいと性能が高くなります。。固形物が器具に入らないようにするため、屋外の固形物、砂や埃の大きさに準じた規定があるわけです。防水も同様に 0 ~ 8 等級まで規定があり、低いレベルだと上から落ちてくる水滴には影響を受けない、8 だと水没にも耐えるという感じで、すべて基準が定められています。
他にも日本は周りを海に囲まれている為、塩害に対する保護も必要となる場合があります。海岸線からの距離に応じ、設置する屋外照明は塗装面などを強化し、防蝕や耐塩規格をクリアしなくてはいけません。

結露

防水結露対策は、専門的になりますがベントフィルターというのをつけています。水は透過しないが空気や水蒸気は通す素材を使って結露の発生を抑制しています。
例えば、密閉型の器具において、器具内外における温度差が生じる際に冷えた材料表面に結露が生じることがありますが、この対策によって器具内外への空気の流れを生じさせ、結露抑制へつなげることができます。

屋外・軒下用照明

左:電源内蔵・屋外用照明器具

屋外・軒下用照明

右:ベントフィルター

6. 重耐塩や耐候性など、その他耐久性で気をつけるところは何ですか?

重耐塩仕様については決められたガイドラインがありますので、それに従ったものを作ることが大前提です。使用材料や表面処理など、決まったスペックがあります。
防水は等級ごとに準じた試験にて第三者機関を通して、合格をもらいます。当社は等級で定められた試験と、より過酷な条件までテストをします。例えば等級5のある製品においては実際には6の試験も行なって合格したものを製品化しています。
それ以外ですと屋外は器具の落下に対して一番気を付けなければならないところです。落下の一因となる振動、耐震、耐風圧性能などが求められます。例えば、耐震試験においてお話すると、こちらも第三者機関を通して実際に起きた大きな地震、東日本大震災などど同じ揺れを模擬した試験を行い、耐震に関する性能を確認しています。

屋外・軒下用照明
屋外・軒下用照明

(一般財団法人) 電気安全環境研究所(JET)横浜事業所

7. これからの屋外照明はどうなっていくのでしょうか?

施主さんが照明デザイナーを使って屋外照明をリッチにセッティングすれば、多くの人がその照明を見たいと思う、というような効果が出てきます。つまり照明自体、もしくは照明に照らされた建物を見に行きたい、と思わせるような照明が可能だということです。建物をより浮き上がらせるファサード照明のメリットは必ずありますので。
当社の製品は心地いい照明、感性に訴えかける照明、というところを評価していただいており、例えば自然光に近いとか、そういう要求にはかなりのレベルまで応えられると思います。
ただ、光が現れれば同時に影も現れるので、影も含めてその建築物の存在感や色の統一感をどう出していくのか、これはいつも意識している点です。洗練されていて上品に、など具体的な要求に応えられるような製品づくりを心がけています。屋外の場合、ただ明るいだけではダメなんです。これからは暗い照明でも活路を見出さないといけないですね。明るい照明は誰でもできるけれど、暗い照明というのは照明デザイナーにしか扱えない。調光でなく元から暗いというようなデザイナーのさまざまな要求にどう応えていくか、というのが今後の製品開発の基準になりますね。

 

 

 

 

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