ルーメンとは何?間接照明に必要な明るさと適するシーンをご紹介
照明器具のルーメン(光束)は、照明の明るさを決める数値の一つです。
照明選びにおいて、ルーメン数は一つの要素として考慮されますが、間接照明に必要な明るさがわかりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ルーメンについての基礎知識を解説し、具体的な照明器具とルーメンをあげながら、間接照明における必要な明るさについてご紹介します。
目次
1.ルーメンとは?
2.間接照明におけるルーメンの評価方法
3.【製品別】間接照明の明るさをルーメンを用いて解説
4.間接照明の明るさを調節する方法
5.ルーメン別間接照明のおすすめ設置場所
6.間接照明はルーメンを考慮して選ぼう
7.多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
ルーメンとは?
まずは、照明器具や光源が持っている光の量を示すルーメンとは何かをご説明します。
ルーメン(単位:lm)とは、国際単位系(SI)において定義されている「光束」の単位です。
私たちは弱い光や強い光を目で見ることはできますが、それらの明るさを数値化することはできません。よって、光源から放たれる光の量を「光束」とし、その単位がルーメン(単位:lm)で、数値が高いほど光の量が多くなるため明るくなります。
ゆえに、このルーメンという数値の大小で光の強弱を評価し、照明器具や光源の性能(明るさ)を数値化することができるようになりました。
このルーメンという単位は、照明器具や光源の明るさを示す指標の基準となる数値であり、私たちが良く耳にする照度(単位:lm/m2)※1や輝度(単位:cd /m2)※2もこのルーメンを元に表現されています。
※1:照度:被照射面の単位面積(㎡)あたりの光の量
※2:輝度:光源やその被照射面から直接及び反射して届く光の単位面積(㎡)あたりの光束量(人の目にどれだけ光が届いているかを数値化したもの)
間接照明におけるルーメンの評価方法
では次に間接照明におけるルーメンの評価方法についてご説明します。
数値が大きいほど明るい
ルーメンは、照明器具や電球やLEDモジュールのパッケージや仕様書に「1600lm、2000lm」などと数値で記載されています。
このルーメンは照度とは異なり、空間の大きさや仕上げなどによらない指標で、光源が放つ光の量を示すため、数値が大きいほど光の量が多い(明るい光)、小さいほど光の量が少ない(暗い光)と評価して良いものです。
部屋の大きさ、照明器具の納まり寸法(設置場所)に合わせて適切な光量(や配光)の器具を選ぶことが重要です。
lm(ルーメン)とW(ワット)は異なる
私たちの暮らしで明るさの目安で最も知られているものは、LEDが登場するまではW(ワット)であったかもしれません。
例えば、家でトイレや廊下のランプが切れたときに、「40Wのランプを買ってきて」とは言いますが、「1600lmのランプを買ってきて」とは言わないはずです。そして、40Wよりも60Wの方が明るいという認識を持っていると思われます。
しかし、このW(ワット)とはこの照明器具(ランプ)の「消費電力(仕事率)」を示しており、ランプの形状や種類、照明器具の効率によって、同じワット数でも明るさは変わってきます。
そのことから、多くの照明器具やランプの明るさを示す場合は、〇〇W相当とパッケージなどに記載されるようになりました。
参考に、以下に、一般的な白熱電球のルーメンとワットの換算基準を示します。
170lm≒20W相当、325lm≒30W相当、485lm≒40W相当、810lm≒60W相当、1520lm≒100W相当(日本照明工業会ガイドライン 電球工業会ガイド)
そして、間接照明の場合は、直接照明とは異なり一度天井や壁、床に照射してその反射光によって明るさを確保するため、実際のルーメン数が担保する明るさとは若干小さくなります。
【製品別】間接照明の明るさをルーメンを用いて解説
ここまでは間接照明とルーメンについてご紹介して参りました。
次に、具体的に空間の大きさを約10畳(W3600mm×L4500mm×H2400mm)と間接照明の照明器具を設定し、製品別に得られる明るさをルーメンを用いてご説明します。
使いやすさとデザイン性を両立するTRE2-APL
TRE2-APLは器具幅22mm高さ54mm、器具1m(LEDモジュール)あたりのルーメン数が3060lm(消費電力25W)で、スリムなボディで十分な明るさが得られる照明器具です。
上記の写真のように一直線に配灯した場合のルーメン数は、10560lmで美しく明るい空間を演出することができます。
3060lm(1000mmサイズ)×1台+3750lm(1250mmサイズ)×2台=10560lm
またルーメン数が大きく明るい光源となるため、直接、器具を見せる手法では、一直線やコの字・ロの字など多様な光のデザインも可能です。
低輝度・調光(5〜100%)・調色・大光量・ダクトレール取付用もラインナップしており、空間の用途に合わせて器具を選ぶことができます。
柔らかい拡散光で美しく空間を照らすSCF-LED-APL
SCF-LED-APLは器具幅30mm高さ48mm、器具1m(LEDモジュール)あたりのルーメン数が2720lm(消費電力21.3W)で、空間への汎用性が高いスタンダードな間接照明の照明器具です。
上記の写真のように一直線に配灯した場合のルーメン数は9440lmとなり、柔らかな拡散光で空間を美しく演出することができます。
3360lm(1245mmサイズ)×2台+2720lm(998mmサイズ)×1台=9440lm
また、シームレスな明るい光源であるため、ベース照明としても利用することができます。
調色調光・位相調光・ナロー配光もラインナップしており、住宅だけではなく店舗や宿泊施設、医療施設などの非住宅の諸施設にもおすすめの照明器具です。
コンパクトでちょうどよい明るさを演出するSFL D
SFL Dは器具幅18mm高さ25mm、器具1m(LEDモジュール)あたりのルーメン数が1600lm(消費電力14.2W)でDNLの電源内蔵の照明器具では最もコンパクトなサイズです。
上記の写真のように一直線に配灯した場合のルーメン数は5520lmとなり、ほどよくちょうどよい明るい空間をつくることができます。
1840lm(1169mmサイズ)×3台=5520lm
設置場所に困らないコンパクトサイズで、長さバリエーションも307mm〜1469mmまでの32種類と豊富。ベース照明や間接照明だけではなく、家具や什器への採用もおすすめです。
様々なシーンで使えるMC-LED4 D
MC-LED4 Dは器具幅14.4mm高さ14.2mm、器具1m(LEDモジュール)あたりのルーメン数が1630lm(消費電力21.0W※)、非常にコンパクトな形状かつ明るい電源別置のLEDモジュールであるため、設置スペースが確保できない狭い場所にも納まります。
※直流電源装置ELD2475F使用時
上記の写真のように一直線に配灯した場合のルーメン数は5870lmとなり、ほどよくちょうどよい明るい空間をつくることができます。
4480lm(2750mmサイズ)×1台+1390lm(837mmサイズ)×1台=5870lm
特に長さのラインナップが73サイズ(50mm〜2750mm)と豊富で、平均演色評価数(Ra値)が96の高演色も受注可能であることから、住宅から非住宅までのあらゆるシーンで採用できます。
超スリムなXC-LED2
XC-LED2は器具幅8mm高さ10mm、器具1m(LEDモジュール)あたりのルーメン数が860lm(消費電力17.5W)で、超スリム型で施工性が高い電源別置のLEDモジュールです。
上記の写真のように一直線に配灯した場合のルーメン数は3200lmとなります。
1600lm(1800mmサイズ)×2台=3200lm
前記したMC-LED4と同様に長さのラインナップが45サイズ(50mm~1975mm)と豊富で、平均演色評価数(Ra値)96の高演色も受注可能であることから、こちらも住宅から非住宅までのあらゆるシーンで採用できます。また、コンパクトさを生かして棚やドアや家具・什器などに組み込むのにも適しています。
間接照明の明るさを調節する方法
間接照明の光束量を調節することはできませんが、光の強さに関係する
- 照明器具の明るさ(ルーメン)
- 器具を設置する開口幅
- 被照射面までの距離
を考慮することで空間の明るさを調節させることは可能です。
例えば、光源から被照射面までの距離と明るさ(ルーメン)のバランスが合っていない場合、ハレーションを起こしたり十分な明るさを得られなかったりしてしまいます。
つまり、照明器具を設置した後の明るさ自体の調節は調光以外に方法はないため、部屋の大きさと開口部の大きさと照明(光源)の強さ、明るさ(ルーメン)が釣り合うように設定しなければなりません。
そこで、間接照明の明るさ感を意図したものとするために、意匠設計者と事前協議をしておいた方が良い事項をあげます。
仕上げの素材
仕上げの色や平滑さは光の反射や伸びに大きく影響してきます。
特に明度が高い素材(白調)は反射率が高く、明度が低い素材(黒調)は反射率が低い傾向にあります。
壁や天井の汎用材であるビニルクロスやSOPなどでも、明度が異なるだけで反射率は大きく異なります。
また、仕上がり表面が平滑か凹凸かによっても光の伸びは大きく変わってきます。
例えば、壁の仕上げが凹凸な素材(ビニルクロス・石など)と平滑な素材(タイル・ポリ・メラミンなど)を比較した場合、表面がザラザラ(凹凸が多い素材)なほど光が反射しないため光の伸び(明るさ感)は平滑な素材と比べて小さくなります。
また、ツヤのある素材は、光源や器具が映り込みやすく隠したいはずの光源が見えてしまうため、素材のツヤも重視すべき要素です。
よって、間接照明で空間に与えたいイメージ(素材の強調、空間への明るさのグラデーション、癒しなど)を事前に意匠設計者と照明デザイナーが共有しておくとよいでしょう。
空間に使う素材の色
照明を設置する空間の内装(天井・壁・床)の明度が高いと光の反射率も高く、明度が低いと反射率も低い傾向にあります。
よって、間接照明を設置する天井や壁の色は意匠設計者に確認をとる必要があります。空間の目的もありますが、一般的に、床から天井まで明度が上がっていくように意匠設計者は色彩計画をすることがあります。(床を暗く、天井を明るく計画)
しかし、天井がグレーや黒に近い配色の場合、白調の天井と比較すると、間接照明を点灯した際に意外と光が伸びない、反射しないこともあるため注意が必要です。
明るすぎる間接照明に対しては、調光や点灯区分を細分化することによって微調整することはできますが、暗いと照明を足すことになり、当初の計画と大幅な意匠や予算の変更の可能性が生じるため、内装のカラースキームには留意する必要があります。
ルーメン別間接照明のおすすめ設置場所
では次に、ルーメン別に弊社の間接照明をピックアップし、設置におすすめの場所をご紹介いたします。照明設計においてぜひ参考にしてください。
3060lm:美しくパワフルな建築化照明
こちらの商品「建築化照明TRE2-APL」は3060lmと光束量が多く、スリムな光源であるため、少ない光源でも美しく、パワフルに空間を照らすことができます。
製品名 | 建築化照明 TRE2-APL |
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特徴 | ・TRIM LINE LED照明器具(トリムライン) ・スクエア型カバー ・調光兼用型 ・ハイパワー・コンパクト型 ・LEDモジュール交換型 ・埋め込み取り付け可能 ・電源内蔵 ・JCD PRODUCT OF THE YEAR 2017 グランプリ受賞 |
機具長さは500mm~1500mmまでの範囲で16種類あり、さまざまな空間の辺長に対応可能です。(500mm,850mm,1000mm,1250mm,1500mmを基準とし、800,900,950,1050,1100,1150,1200,1300,1350,1400,1450mmの特寸あり)
また、色温度も2800Kから5000Kまでと広い範囲で網羅しているほか、高演色型もラインナップしており、住宅から商業施設まであらゆるシーンに採用できます。
照明器具自体が(W22mm×H54mm(発光部22mm))とコンパクトであり、光源もスクエア型であることから、エッジまで美しく繊細に発光することができます。
スリムなボディであることから、美しい一直線のラインやコの字型・ロの字型の光のデザインができるため、直接照明としてもおすすめです。
また、直接照明として空間の直線を強調する長い廊下のライン照明にもおすすめです。
2730lm:柔らかな拡散光で空間を彩る間接照明の定番
こちらの商品「建築化照明SCF-LED-APL」は
光束量は2720lmであり、丸みを帯びた線形状の光源から柔らかな拡散光を発光します。
製品名 | 建築化照明 SCF-LED-APL |
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特徴 | ・Seamlessline LED照明器具(シームレスライン) ・調光兼用型 ・コンパクト型 ・ワイド配光タイプ ・電源内蔵 |
器具長さは301mm、504mm、848mm、998mm、1139mm、1245mm、1492mmの7種類の定番サイズに加え、257,398,451,601,751,892,1192mmの特寸もあり、木造在来の910mmモジュールに対応しているスタンダードな間接照明です。
また、色温度も2800Kから5000Kまで11種類(一般色 6種類、高演色 5種類)のラインナップがあり、高演色型を採用することで空間の質や雰囲気もより向上させることが可能です。
この照明は特に光が柔らかいため、天井の1方向から光のグラデーションをかけるコーブ照明やコーニス照明がおすすめです。
1600lm:電源内蔵のコンパクトな照明
こちらの「SFL D」の光束量は1600lmと強い明るさを持つ照明器具ではありませんが、W18mm H25mmと断面が非常にコンパクトで、狭いスペースや細かい意匠に対応できます。
デザイン性が高い店舗や階段や廊下などの狭小スペースの照明にも適しています。
製品名 | 建築化照明 SFL D |
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特徴 | ・Seamlessline LED照明器具(シームレスライン) ・ドーム型カバー ・非調光型 ・コンパクト型 ・電源内蔵 |
器具長さは307mm〜1469mmまでの32種類がありラインナップも豊富です。
調光機能はありませんが、色温度も2400Kから5000Kまで6種類揃っており、明るすぎず暗すぎないちょうどよい明るさで空間を彩ります。
860lm:細かい空間デザインや家具に馴染むスリム照明
こちらは「XC-LED2」という商品です。光束量は860lmとパワフルな明るさではありませんが、W8mm×H10mmという非常に小さな断面のスリム照明で、足元の間接照明や棚照明、TVボードなどの家具・什器に組み込むことができます。
製品名 | LEDモジュール XC-LED2 |
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特徴 | ・エクストリームコンパクト ・全45サイズ(特寸37種類) ・埋め込み取り付け可能 ・連結可(1系統2520mm以内) ・電源別置 |
器具長さは94mm〜1494mmの45種類があり、前述した「建築化照明SCF-LED-APL」よりもさらに多くの長さバリエーションが設定された電源別置のLEDモジュールです。
また、色温度も2200Kから5000Kまで12種類(一般色 6種類、高演色 6種類)のラインナップがあり、高演色型を採用することで空間の質や雰囲気もより向上させることが可能です。
520lm:建築や家具にフィットする長さ自在の照明ハウジングユニット
こちらは「PFS」という商品です。光束量は520lmと明るい照明ではありませんが、W18mm×H20mmという小さな断面に加え、薄い見付のハウジングにより、光源の美しさを強調することができます。
製品名 | プロファイルシステム PFS |
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特徴 | ・フレキシブルLEDモジュールFX50-LEDのハウジングユニット ・最長5mまでのドットレスなライン照明を実現 ・幅18mm×高20mmのコンパクトボティ ・埋め込み取り付け可能 ・切断可能 ・電源別置 ・JCD PRODUCT OF THE YEAR 2019 グランプリ受賞 |
切断も可能であり、シームレスな接合も可能であることから施工性が非常に高く、細かい空間の造作や家具・什器におすすめです。
また、コーナーをつくるタイプや大光量タイプもあるため、設計者やデザイナーの表現の幅が広がる自在な照明器具です。
間接照明はルーメンを考慮して選ぼう
今回は、間接照明におけるルーメン(光束量)とその明るさについてご紹介しました。
間接照明自体のルーメン数は器具や光源ごとに異なり、固有の明るさがあります。よって、間接照明を計画する際は、照明器具のルーメン数や配光特性を把握した上で、部屋の大きさや素材を踏まえて計画することが重要です。
このような事情から、「光」が大切な空間では、専門の設計事務所に依頼し、照明メーカーや照明プランナーを交えて照明選びを進めていくのが一般的です。
弊社DNライティングでは、「色温度・配光・明るさ」と「設置位置・角度」をシミュレーションしていただける体感型施設を東京と大阪の2箇所に設けており、内装材のサンプルをお持ちいただけると現場に近い環境も再現可能です。
「照明にこだわった施設を目指したい」「照明選びで失敗したくない」という方はぜひお立ち寄りください。
多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
現在、百貨店・総合スーパー・ブランドショップ・専門店などの商業施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、病院、学校、美術館、マンション、寺社仏閣にいたるまで幅広くこだわりの光(ヒカリ)を表現できる照明メーカーとしてご用命を頂いております。
- 様々な空間に対応する多彩な品揃え
- お客様のニーズを実現するカスタマイズ力
- 多品種と高品質を支える自社生産体制
- 照明その他電気工事の請負・設計監理
照明の役割がますます多様化し、その機能への期待が高まっている中、小空間から大空間まで様々なステージで対応できる豊富な商品を揃え、お客様のニーズにきめ細かく対応する照明専門メーカーを目指しております。ぜひお気軽にご相談ください。
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