住宅照明の種類と機能|洗練された空間にできるおすすめ照明とは
家づくりの中で、どのような照明の種類を選定するかは、インテリアの雰囲気を左右する重要な計画のひとつです。
今回は、住宅においてそれぞれの生活シーンに適した照明器具や演出方法をJIS規格や環境工学を踏まえながら解説します。
また、商業施設やホテルのような洗練された空間を住宅でも演出できる、DNライティングのおすすめの照明種類をご紹介します。
目次
住宅用の照明と明るさ
住宅用の照明とは、まずシーンに応じた必要照度が確保されていることが重要です。
例えば、JIS規格(JIS Z9110:2011 照度基準総則)では、一般的な団らんスペースでは200lx、ダイニングでは300lx、子ども部屋は750lx程度と目安となる推奨照度(維持照度)が決まっています。
住宅なので、住まう人の属性(年齢、性別、体調など)によって明るさの好みはありますが、JISでは照明器具を工業製品として標準化するため、作業内容や空間の用途に応じて推奨照度を定めているのです。
この推奨照度は、あくまでも目安であるため守らなければならないことはありませんが、住宅の設計者などが照明器具を選ぶ際に、選定基準の一つとなります。
住宅用照明の種類と色温度
また、住宅用の照明は照度だけの検討だけではなく、色温度をチェックすることが大切です。色温度(単位K:ケルビン)とは、光源の光色を数値で表したもので、青みがかった光ほど数値が高く、赤みがかった光ほど数値が低く表されます。
夕日などの赤色の光が約2000K(ケルビン、以下省略)、電球のようなあたたかいオレンジの光が約3000K、蛍光灯のような白い光が約4000K、といったように記され、光の色合いを判断する基準として数値化されています。
一般的に色温度が低いと落ち着いた雰囲気、色温度が高いと爽やかな雰囲気を演出することができます。
ここからは、それぞれの色温度が住宅のどのような場所に適しているか、代表的な色温度別にご紹介します。
電球色 2800K〜3000K
電球色は赤っぽい光で、リビングやダイニング、寝室などの落ち着きたい場所や食材がおいしそうに見えるキッチンなどに使用されることが多いです。
後に述べる昼白色や昼光色と比べると、やや明度が低いため目が疲れにくく、環境工学上でもリラックス効果があるとされています。
温白色 3500K
温白色は、黄色から白色の中間で落ち着いた明るさに感じる色です。
リラックスしすぎず、目にストレスを感じすぎない明るさであるため、集中力が持続する学習室や読書室に適しています。
コンビニエンスストアやスーパーなどで売られている電球にはこの温白色が多く、最も汎用性が高い色温度とされています。
昼白色 5000K
昼白色は、清々しい青みがかった自然な光色です。昼間に明かりをつけなくても部屋が明るいときがありますが、その太陽の光のような生活になじみがある色です。
演色性が高く、はっきりと色が見えるためPCのモニターや書籍などから正確に文字や色を識別する作業をする仕事部屋や子ども部屋、ごみやカビなどの汚れが見やすい洗面脱衣室、家事室などがおすすめです。
住宅用照明とは種類が異なる?店舗照明との違い
ここまでは住宅用の照明についてご説明してまいりましたが、店舗の照明と住宅用の照明はどのような違いがあるのでしょうか。
大きな違いは、【空間の用途】があげられます。住宅の用途は生活ですが、店舗の用途は人を集客し、商品やサービスを販売することなどになります。よって、空間の用途が異なるため、照明の役割も異なるのです。
例えば、店舗の場合は、商品を引き立たせる明るい光、ブランドの世界観を表現する多彩な光、購買意欲を高めるため非日常感を演出する光など、多様な光が必要とされます。
また、店舗は住宅と比べて内装仕上げが異なり、面積が広く、天井が高いケースもあるため、照明器具の性能や種類も住宅向けのものより多岐にわたります。
コンビニエンスストアのように、消費者にとって商品が分かりやすい均一な光環境をつくる場合もあれば、絵画の展示空間のように、スポットライトなどで重点的に展示物を照射して浮かび上がらせて目を引く光環境をつくる場合もあり、商品やサービスの種類の数だけ照明計画は多様なニーズに答える必要があります。
そして、店舗用の照明は空間とセットで計画されることが多く、空間デザイナーや建築家のイメージを実現できるフレキシブルさも求められます。昨今では、建築化照明として天井や壁、床の造作の一部として計画されることが多く、納まりのよさや施工性も店舗用照明には求められてきています。
よって、照明カタログにはメーカー推奨の間接照明の造作寸法や照度分布などが具体的な数値で示され、併せてその製品の事例写真も掲載されていることから、設計者にとって照明計画がより行いやすくなってきています。
住宅用照明の種類と機能とは
シーリングライト
シーリングライトとは、天井に直付けするタイプの照明器具で、引っ掛けシーリングのボティ(電源側)とソケット(照明側)を嵌合させて、通電・固定します。
1次工事で引っ掛けシーリングを施工していれば、照明器具の取り付けや取り外しは容易にできます。
シーリングライトは、光源が大きく光束の拡散性が高いため、部屋の中心に設置され、均一な照度を確保しやすい点がメリットとしてあげられます。
また、汎用品が多く、比較的安価であることから入手しやすい点もメリットの一つでしょう。
デメリットとしては、照明機器自体が大きいものが多く、天井が高い場合は脚立などに上がり機器を持ち上げるようにして設置するため、手間がかかることがデメリットとしてあげられます。
また、シーリングライトは樹脂製の半透明のカバーで光を拡散するため、埃や虫がカバー内にたまりやすいこともあり、定期的な清掃が必要となります。(清掃をしない場合は、照明効率が落ちるケースがあります)
■適した空間
- 均一な明るさが求められる広いリビング
- 6~8畳程度の寝室・子ども部屋など
ダウンライト
ダウンライトとは、天井に埋め込み、床面に光を照射するタイプの照明機器です。
機器自体が小さくて施工性が高く、適した配光や照度が選ぶことができるため、新築や改修工事を問わず、どの空間にも設置しやすい点がメリットです。
しかし、勾配天井やヴォールト型などの床と水平ではない天井に対しては、施工性が著しく低下し、工事費が高くなることがデメリットとしてあげられます。(照射角度が自在なユニバーサル型のダウンライトもありますが、比較的高価なものとなります)
■適した空間
- LDKや各主寝室
- トイレや家事室、洗面脱衣室などの狭い空間
- 廊下や階段など
スポットライト
スポットライトとは、その名の通り照らしたい部分(スポット)を中心に照射する照明機器です。
天井や壁に直付けするタイプのスポットライトもありますが、天井にライティングレールを敷設して、必要な数だけスポットライトを設置し、光束の向きや量を調整しながら明るさを確保する計画もあります。
空間に対して明るさの均一性には劣りますが、空間の一部分を強調して明るくすることができるため、絵画などの芸術作品がある場合や商空間のような非日常的な雰囲気を演出したい場合には最適です。
■適した空間
間接照明
心斎橋PARCO様(撮影:スタジオマップ/前田誠士)
間接照明は、照明器具の光源を直接見せず、床・壁・天井面に光束を照射して、反射する光で照度を確保するタイプの照明機器です。
大きなメリットとしては、床・壁・天井などの仕上げを引き立たせて、空間に広がりや上品な雰囲気を醸し出すことができる点です。
デメリットとしては、光源を見せてしまうと安っぽく見えたり、光源を隠す分、施工費が高くなる点があげられます。
■適した空間
- リビングや寝室などの落ち着きたい空間
- 廊下、玄関、化粧室などの狭い空間
おしゃれな住宅空間を演出する種類の照明
一般的な住宅では、シーリングやダウンライトがメインですが、店舗で使用されるような間接照明やライン照明を部分的に採用することで、ホテルやブティックのような非日常的な空間をつくることができます。
以下で、DNライティングの照明製品を使用したおしゃれ空間の演出方法をご紹介します。
ミニマルな空間にも:TRE2-APD
配線などの機械部分と照明カバーなどの納まりを極限までにシンプルにし、光源部分のみが引き立つデザインの建築化照明TRE2-APD。
無駄が全くなく、照明の機能がデザイン化されているこの照明は、ホテルライクな生活感が無いシンプルな空間にマッチします。
生活の中心であるリビングやダイニングの天井に規則的なデザインや間隔で配灯したり、複数の連結使用で長いライン照明を作ったりして、空間に統一感や光のデザインを作ることができます。
製品名 | 建築化照明 TRE2-APD |
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特徴 |
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シームレスな繋がる光を演出する空間に:SCF-LED-APD
汎用的な蛍光灯やライン照明では、どうしても機器の連結部分に暗がりができてしまい、繋がる光の演出において美しさに欠けてしまいます。
しかし、建築化照明 SCF-LED-APDは、照明機器に発光部分がドットレスで、連結部がシームレスであり、豪邸や別荘などでの広い室内で水平に広がる空間に採用した場合、光の継ぎ目がないため、照度ムラがない美しい空間を演出できます。
製品名 | 建築化照明 SCF-LED-APD |
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特徴 |
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光のエッジが効いたシャープな空間に:PFSH
アルミ製のハウジングの中で、光が機器の隅部や端部にまで行き届くため、シンプルかつ美しい光のラインを実現することができます。
洗練された建築空間に採用することで、照明器具が建築空間の一部になり、一体感があるシャープなイメージを演出することができます。
コの字やロの字に連結してもシームレスに光が繋がるので、リビングやダイニングの天井だけでなく洗面化粧台の鏡回りや廊下などの魅せる空間におすすめです。
製品名 | 建築化照明 PFSH |
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特徴 |
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シャープさを演出したい空間に:MC-LED4 S
建築化照明 MC-LED4 Sは、極限まで配線などの機械部を薄くし、光源部を際立たせたデザインになっています。無駄がない細く美しい光は、シャープで直線的なイメージに。
最短50mm〜最長2750mmまでと多様なサイズ展開で、さまざまな空間や造作にフィットした配灯ができます。ワークスペースやアトリエに採用すれば、シンプルな灯が集中力を高めて、生産性を向上させるでしょう。
製品名 | 建築化照明 MC-LED4 S |
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特徴 |
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ラグジュアリーな空間演出に:XC-LED2
建築化照明 XC-LED2は、ハウジングを極限まで小さくし、天井に埋め込むことで本体が目立たず、光を際立たせることを目指したライン照明です。
ウォークインクローゼットやリビング・キッチンの造作や棚や、狭小の間接照明にも納まり、おすすめです。
製品名 | 建築化照明 XC-LED2 |
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特徴 |
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多様な空間でお客様のニーズを満たすDNライティング
現在、百貨店・総合スーパー・ブランドショップ・専門店などの商業施設をはじめ、オフィスビル、ホテル、病院、学校、美術館、マンション、寺社仏閣にいたるまで幅広くこだわりの光(ヒカリ)を表現できる照明メーカーとしてご用命を頂いております。
- 様々な空間に対応する多彩な品揃え
- お客様のニーズを実現するカスタマイズ力
- 多品種と高品質を支える自社生産体制
- 照明その他電気工事の請負・設計監理
照明の役割がますます多様化し、その機能への期待が高まっている中、小空間から大空間まで様々なステージで対応できる豊富な商品を揃え、お客様のニーズにきめ細かく対応する照明専門メーカーを目指しております。ぜひお気軽にご相談ください。
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